研究概要 |
1.これまでに同定したin vitro道管分化過程で発現量が上昇する転写制御因子であるNAC-domainタンパク質遺伝子のシロイヌナズナのホモログをゲノム情報をもとに検索し、詳細なプロモーター解析を行うことによりシロイヌナズナのオルソログと考えられるVND1〜VND7を同定した。これらの過剰発現シロイヌナズナ植物を作出したところ、VND7遺伝子の過剰発現体で異所的な道管分化が引き起こされた。 2.材形成特異的遺伝子のプロモーター領域を制限酵素でランダムに切断し、さらにバイナリーベクター上の35Sミニマルプロモーター::レポーター遺伝子(GFP, CFP, YFP)の上流に接続し、プロモーター断片::レポーターのライブラリーを構築した。これらをシロイヌナズナに導入し、材形成特異的にレポーターの発現が見られるシロイヌナズナを収集した。さらに収集したロイヌナズナに導入されたプロモーター断片の配列をもとに、材形成特異的発現に関わるシス因子を絞り込み、複数の材形成特異的シス配列候補を見出した。 3.材形成特異的プロモーター::レポーター導入シロイヌナズナ形質転換体をもとにして、材形成特異的遺伝子発現に影響を与える突然変異体の単離を始めた。このために、理化学研究所・ゲノム科学研究センターの松井・市川両博士との共同研究でシロイヌナズナ完全長cDNAの過剰発現システム(FOXハンティングシステム)を用いた。また、網羅的なRNAi解析のために用いる新規のベクター系を開発した。
|