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2003 年度 実績報告書

菌類特異的遺伝子を指標にした菌類多様性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15770055
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

西田 洋巳  独立行政法人理化学研究所, 遺伝子構造解析研究チーム, 研究員 (60301115)

キーワード菌類 / 分子進化 / 分子生態 / アミノアジピン酸還元酵素 / リジン生合成 / 比較ゲノム / 菌類特異的 / 遺伝情報
研究概要

比較ゲノム学により「菌類とは何か」という問題に挑んでいる。アミノアジピン酸還元酵素(LYS2)は菌類におけるリジン生合成経路において働いている。本酵素は菌類以外の生物から見つかっておらず、ゲノム情報においても構造的に類似しているものを菌類以外の生物に見出せない。本酵素はアデニル化ドメイン、ペプチジルキャリアードメイン、還元化ドメインから成り立っている。3つのドメインの中で最も大きなアデニル化ドメインは細菌の非リボソーム型ペプチド合成酵素中にも見出すことができる。分子系統学による解析の結果、細菌のものと菌類のものが進化上分岐したポイントは極めて古い過去であり、現存タンパク質の構造からは明確な比較が困難であることがわかった。さらに、このことは最近の過去において細菌からの水平移動により菌類が本ドメインを獲得したのではないことを示している。LYS2のアデニル化ドメインコード領域を特異的に増幅できるPCRプライマーを設計し、広い範囲の菌類由来のゲノムDNAに対してPCRを行った。本研究以前には子嚢菌類由来のデータしか存在していなかったが、本研究において担子菌類、接合菌類、ツボカビ類においてもその存在を示すことができ、さらにアミノ酸配列比較に基づく系統樹からその分布は菌類系統進化を反映したものであることがわかった。また、塩基置換頻度が従来分子進化学の指標として用いられている分子種の中で最も高いことを示し、他方、挿入・欠失の率がリボソームRNAレベルに低いことを示した。これらのことより、LYS2の遺伝情報を用いることは、現在のところ、菌類分子進化学および分子生態学研究において最も有効な指標であると結論付けられる。この結果を踏まえ、LYS2ような菌類に特異的に存在している遺伝情報を菌類ゲノムより抽出している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] An KD, Nishida H, Miura Y, Yokota A: "Molecular evolution of adenylating domain of aminoadipate reductase"BMC Evolutionary Biology. 3. 9 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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