カルシウムイオン/カルモジュリン依存性キナーゼキナーゼα(CaMKKα)の構造解析を目指して、CaMKKαと抗体(IgG)または抗体フラグメント(Fabフラグメント)及びカルモジュリンとの複合体試料を用いて結晶化を行った。CaMKKαについては完全長のものとFactor XaでフレキシブルなN末端領域を切断した試料とを用いて実験を行った。互いに異なる単クローン抗体を産出する2種類のハイブリドーマを用いてマウス腹水から抗CaMKKα IgGを得た。これを硫安分画とイオン交換クロマトグラフィーによって精製した。Fabフラグメントは精製されたIgGをパパイン処理することによって得られた。 抗体との複合体調製のため、CaMKKα試料をIgGまたはFabと混合し、それを結晶化サンプルとした。結晶化スクリーニングは主に市販のスクリーニングキット10種類を用いて行った。カルモジュリンとの複合体試料とATPアナログとの複合体試料についても同様にスクリーニングを行った。IgGを用いた場合CaMKKα単独では結晶が得られなかった条件でも針状結晶が得られた。しかし、これらはX線回折実験には適さない物であった。また、Fabを用いた場合でも同様の針状結晶が得られた他、沈澱剤として硫酸アンモニウムを用いた場合に板状結晶が得られた。SPring-8での回折実験では回折点を確認することが出来なかった。
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