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2004 年度 実績報告書

小胞輸送におけるタンパク質選別・輸送小胞形成の再構成系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 15770091
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

佐藤 健  独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 研究員 (00303602)

キーワード小胞体 / 輸送小胞 / コートタンパク質 / GTPase / 再構成 / プロテオリポソーム
研究概要

リボソームで新たに合成された分泌タンパク質や各オルガネラで機能するタンパク質は、まず小胞体にターゲットされ、高次構造を形成した後、輸送小胞に媒介される小胞輸送によって細胞内の分泌経路を移動していく。分泌経路の出発点となる小胞体では、輸送小胞につめ込むタンパク質と、小胞体にとどまるタンパク質との厳密な選別が行われている。この選別は、輸送小胞を被覆するCOPIIコート複合体が、輸送されるタンパク質がもつ輸送シグナルに直接結合することにより行われていることが明らかになりつつある。COPIIコートが輸送されるタンパク質に結合するには、低分子量GTPaseであるSar1が必須である。COPII小胞形成過程において、Sar1はGDP/GTP交換因子によるGTP結合型と、GTPase活性化タンパク質によるGDP結合型の二つのを状態サイクリックに行き来することによって、COPIIコートと輸送シグナルとの相互作用を制御していると考えられているが、その詳細なメカニズムは不明である。そこで、輸送されるタンパク質を再構成したプロテオリポソームに、精製したCOPIIコートとSar1を加えて輸送小胞を形成させる完全再構成系を構築し、COPII小胞形成の分子機構の解析を行った。FRETを利用してCOPIIコートと輸送されるタンパク質間のリアルタイムでの結合、解離の様子を、Sar1のGTP加水分解と比較しながら解析を行った。その結果、Sar1pのGTP加水分解は、コートタンパク質の輸送されるタンパク質からの解離とカップルしているわけではなく、GTP加水分解が起こったあと、少し遅れてコートタンパク質の解離が起こっていることが解った。この解離の遅れと、ヌクレオチド交換因子Sec12pによるSar1pの再活性化とのバランスによって、COPII小胞へのタンパク質の取り込みが制御されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] COPII coat assembly and selective export from the endoplasmic reticulum.2004

    • 著者名/発表者名
      Ken Sato
    • 雑誌名

      Journal of Biochemistry 136

      ページ: 755-760

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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