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2003 年度 実績報告書

減数分裂期における中心体/紡錘極体の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15770105
研究機関東京大学

研究代表者

田仲 加代子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80345264)

キーワード中心体 / 減数分裂 / SPB / 細胞周期 / 微小管
研究概要

分裂酵母の有性生殖過程では、減数分裂前DNA合成に続いて、ホーステール運動と呼ばれる、紡錘極体(SPB)に導かれたダイナミックな核の運動が観察される。ホーステール運動は、核の先端に位置する紡錘極体から放射状に伸びた微小管によって制御されており、効率のよい減数分裂組み換えを保証するメカニズムの一つであると考えられている。
本研究では、減数分裂過程を制御するSPB因子の単離を目的に、既知のSPB因子に多くみられるcoiled-coilモチーフを持ち減数分裂期に発現が上昇している遺伝子をSanger Centreの分裂酵母遺伝子データベースから検索し、新規遺伝子hrs1を得た。GFP標識されたHrs1タンパク質は、体細胞分裂期には発現が観察されず、細胞を有性生殖過程に誘導すると、接合因子シグナルに呼応してSPBにリクルートされ、ホーステール期の間SPBに局在し、減数第一分裂前にSPBから消失した。この観察と合致して、hrs1遺伝子破壊株は体細胞分裂時には明らかな表現型を示さず、有性生殖過程では、ホーステール期の核運動が極度に鈍くなり、胞子形成異常、および組み換え率の低下が観察された。また、野生型で見られるSPBから放射状に長く伸びた微小管構造は破壊株では観察されず、散発的に重合した微小管のみが観察された。Hrs1タンパク質を強いnmt1プロモーターを用いて強制的に体細胞分裂期に発現させると、間期の微小管構造が変化し、核の位置が細胞中心からずれ、形態が異常になった細胞が多く観察された。これらの結果は、減数分裂特異的なSPB因子であるHrs1が、ホーステール期に特異的な放射状の微小管構造の構築を通じて、核運動を制御している可能性を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Hirota, K.Tanaka, K.Ohta, M.Yamamoto: "Gef1p and Scd1p, the Two GDP-GTP exhange factors for Cdc42p, form a ring structure that shrinks during cytokinesis in Schizosaccharomyces pombe"Molecular Biology of the Cell. vol.14・9. 3617-3627 (2003)

  • [文献書誌] F.H.Maclver^*, K.Tanaka^*, A.M.Robertson, I.M.Hagan (^*equally contributed): "Physical and functional interactions between polo kinase and the spindle pole component Cut12 regulate mitotic commitment in S.pombe"Genes and Development. vol.17・12. 1507-1523 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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