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2004 年度 実績報告書

レンズ形成における熱ショック転写因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 15770112
研究機関山口大学

研究代表者

藤本 充章  山口大学, 医学部, 助手 (80359900)

キーワードHSF / 白内障 / FGF
研究概要

本研究で、レンズを中心とする目の形態形成にHSF1とHSF4がどのような役割を演じているかを明らかにする。そこで今回、HSF4とHSF1の両遺伝子欠損マウスを作製し、レンズ形成におけるHSFの役割を解析した。
HSF4欠損マウスは白内障を発症し、レンズ繊維細胞の封入体構造を伴う形態異常を認めるとともにγ-Crystallin蛋白質の発現が著しく低下していた。両遺伝子欠損マウスでは、形態異常がさらに進行し、γ-Crystallin蛋白質の発現も低下していた。また野生型のレンズ上皮細胞は規則正しい立方体であるの対し、HSF4欠損マウスでは円柱状の形態異常を示した。さらに増殖の亢進をともなうレンズ上皮細胞数の増加を認めた。レンズ上皮細胞の増殖因子であるFGFの発現を検討すると、HSF4欠損マウスで、FGF-1,-4,-7の発現が亢進していた。レンズを用いたクロマチン免疫沈降法の結果より、HSF4とHSF1がFGF-7のプロモーター領域に直接結合し転写調節していることが分かった。興味深いことに両遺伝子欠損マウスでは、HSF4欠損マウスで見られたレンズ上皮細胞の異常は改善され、FGFの発現も野生型まで改善されていた。以上のことから、HSF4とHSF1はレンズ繊維細胞で協調的にγ-Crystallin遺伝子の転写調節を行うことが明らかとなった。一方レンズ上皮細胞では拮抗的にFGF遺伝子の転写調節を行い、レンズ形成において増殖・分化に重要な役割を行っていることが分かった。この研究より、
1.HSFの熱ショック蛋白質以外のターゲット遺伝子を同定 2.HSF分子による遺伝子発現の拮抗的制御 3.HSFがレンズ形成の成熟・維持に必須であることを示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] HSF4 is required for normal cell growth and differentiation during mouse lens development2004

    • 著者名/発表者名
      Mitsuaki Fujimoto
    • 雑誌名

      THE EMBO JOURNAL 23

      ページ: 4297-4306

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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