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2003 年度 実績報告書

ショウジョウバエの減数分裂を制御する母性因子の性質

研究課題

研究課題/領域番号 15770149
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

向 正則  岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (90281592)

キーワード母性因子 / 減数分裂 / 発生生物学
研究概要

生殖細胞の最も基本的な特徴の一つは減数分裂である。しかし、生殖細胞がどのようにして減数分裂する能力を獲得するのかはまだ明らかになっていない。減数分裂に必要な母性因子の同定を目的として、突然変異体の原因遺伝子の特定を試みた。
1.原因遺伝子の最有力候補遺伝子である新規Znフィンガー型転写因子にたいするdsRNAを合成し、胚に顕微注入し、突然変異体と同様の表現型を示すかどうかを検討した。その結果、この転写因子が、vasa遺伝子の発現に必要であり、原因遺伝子に予想される機能をもつことが明らかになった。
2.突然変異体で、この転写因子の構造がどのように変化しているかを解析したところ、野生型にみられない構造をもつmRNAを検出した。この変異により、転写因子のN末にあるBTBドメインに欠失が起こる。このことが,突然変異の原因になっていると予想される。
3.1および2の結果は、この転写因子が、突然変異の原因遺伝子であることを強く示唆する。このことをさらに確認するために、この転写因子の野生型遺伝子を突然変異体に導入し、回復実験を行っている。
4.この転写因子の性質を調べるために、このタンパク質のBTBドメインにたいする抗体の作製を試みた。現在までに、抗血清を得ている。今後、抗体を精製し、これを用いて転写因子の極細胞内での分布を解析していく予定である。
上記の転写因子は、BTBドメインをもつ。このドメインは、タンパク質-タンパク質の相互作用に必要なドメインとして知られている。このことは、この転写因子が、複合体を形成して機能している可能性を強く示唆する。本研究で得られた、突然変異体、遺伝子、抗体を用いて相互作用する遺伝子の解析が可能である。今後さらに、相互作用する遺伝子を追求していくことにより、生殖細胞がどのようにして減数分裂する能力を獲得するのかが明らかになっていくと考えている。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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