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2003 年度 実績報告書

塩生植物アイスプラントの塩ストレスに伴う光合成変換機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15780014
研究機関佐賀大学

研究代表者

東江 栄  佐賀大学, 農学部, 助教授 (50304879)

キーワードアイスプラント / 遺伝子発現 / 塩生植物 / CAM / 光合成 / 耐塩性 / 突然変異体 / マイクロアレイ
研究概要

平成15年度の研究実績は以下の通りである.
1)CAM型欠損突然変異体の単離と生理学的特性の調査
種子に中性子線を照射した個体を,葉身の酸性度を指標にスクリーニングし,CAMにならないCAM型欠損突然変異体を単離した.3世代自殖させた変異株について葉身細胞液中のpH,滴定酸度の日変化を測定し,変異株においてはCAMが誘導されていないことを確認した.クエン酸およびリンゴ酸の含量を測定し,リンゴ酸が葉身の酸性度を左右する主要因であること,変異株はリンゴ酸合成経路が欠失していることを明らかにした.
2)遺伝子発現様式の調査-マイクロアレイ法による網羅的解析-
マイクロアレイ法を用いて約1600個の遺伝子の発現量を網羅的に調べ,変異株では塩ストレスによって17個の遺伝子の発現量が増加すること,その中にはタウマチン様タンパク質や抗病原体タンパク質のような防御機構や、オーキシン結合タンパク質のような植物ホルモンに関するもの、および細胞骨格のアクチン遺伝子等が含まれていることを明らかにした。また65個の遺伝子の発現が抑制されること,それらはCAMの鍵酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ遺伝子や,プロテアーゼ、及びピニトール合成に関わる遺伝子であることを明らかにした。
3)形質転換技術の確立
アイスプラントの形質転換法を確立するために、培養細胞にアグロバクテリウムを感染させる方法によって胚軸由来カルスに遺伝子を導入することに成功した.またアグロバクテリウム溶液に花器を浸漬する花器浸潤法の確立を試み,最適な処理条件を決定して100を超える個体に浸潤処理を行うことができた.
以上のように,今年度は当初の計画どおり研究を進展させることができた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 星野成洋: "RPA法を用いてアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)ブラッダー細胞欠損突然変異体から単離した遺伝子の特性"日本作物学会紀事. 72(別2). 282-283 (2003)

  • [文献書誌] 東江 栄: "アイスプラントを用いた土壌脱塩技術の可能性"熱帯農業. 47(別2). 141-145 (2003)

  • [文献書誌] Vuthy Theng: "Characterization of genes for phosphoenolpyruvate carboxylase and Its protein kinase from three CAM Plants, Ananas comosus, Kalanchoe pinnata and K.daigremontiana"日本作物学会紀事. 73(別1). (2004)

  • [文献書誌] 星野成洋: "サブトラクティブハイブリダイゼーション法を用いてアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)野生株,及びブラッダー細胞欠損突然変異体から単離した遺伝子の特性"日本作物学会紀事. 73(別2). (2004)

  • [文献書誌] 下田敏史: "NaCl濃度と温度がアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)の発芽に及ぼす影響"日本作物学会紀事. 73(別2). (2004)

  • [文献書誌] 砂川春樹: "アイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)のCAM化に対する活性酸素とグルタチオンの関与"日本作物学会紀事. 73(別2). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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