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2004 年度 実績報告書

塩生植物アイスプラントの塩ストレスに伴う光合成変換機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15780014
研究機関佐賀大学

研究代表者

東江 栄  佐賀大学, 農学部, 助教授 (50304879)

キーワードアイスプラント / 遺伝子発現 / 塩ストレス / 塩生植物 / 活性酸素 / CAM
研究概要

平成16年度の研究実績は以下のとおりである.
1)形質転換技術の確立
アグロバクテリムを介する方法を適用した.まず花器浸潤法,及び培養細胞を用いる方法を試みたがいずれも形質転換体が得られなかった.そこで子葉節にアグロバクテリウムを感染させる方法を試みることにし,まず再分化法を確立した.4種類のサイトカイニンを試したところ,チジアズロンが最も有効であることがわかった.これを元にアグロバクテリムの感染・除菌条件,及び再分化条件をさらに詳細に検討し,形質転換された完全個体を得ることに初めて成功した.
2)塩ストレスにともなう光合成の変換に及ぼす活性酸素の影響
ストレス環境下で発生するとされる活性酸素がアイスプラントのCAM化にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにするために,塩処理にともなう過酸化水素の含量,活性酸素消去系関連酵素の活性,CAM化関連遺伝子の発現量,CAMの指標である葉内酸度,及び活性酸素消去物質(グルタチオン)の含量等を測定した.その結果,過酸化水素含量はCAM化に先んじて増加し,ついでグルタチオン含量が徐々に増加すること,またそれに付随してCAM化関連遺伝子の発現が増加することが明らかになった.また活性酸素消去系酵素の活性を測定したところ,スーパーオキシドデスムターゼ,アスコルビン酸ペルオキシダーゼ,及びグルタチオンレダクターゼの活性は増加したが,カタラーゼ活性は逆に低下することがわかった.さらに阻害剤実験によって過酸化水素とグルタチオンがCAM化に強く関与することを明らかにした.
以上のように,今年度は当初の計画どおり研究を進展させることができた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] 多芽体形成によるアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum L.)の再分化2004

    • 著者名/発表者名
      砂川春樹, 東江栄, 牧志佑子, 梅本真紀子, 野瀬昭博
    • 雑誌名

      日本作物学会記事 73(別2)

      ページ: 250-251

  • [雑誌論文] NaCl濃度と温度がアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)の発芽に及ぼす影響2004

    • 著者名/発表者名
      下田敏史, 小寺暁子, 中原光久, 東江栄, 野瀬昭博
    • 雑誌名

      日本作物学会記事 73(別2)

      ページ: 252-253

  • [雑誌論文] サブトラクティブハイブリダイゼーション法を用いてアイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum)野生株,及びブラッダー細胞欠損突然変異体2004

    • 著者名/発表者名
      星野成洋, 東江栄, 戸高啓輔, 野瀬昭博, John.C.Cushman
    • 雑誌名

      日本作物学会記事 73(別2)

      ページ: 254-255

  • [雑誌論文] アイスプラント(Mesembryanthemum crystallinum L.)形質転換体作出法の確立2004

    • 著者名/発表者名
      東江栄, 梅本真紀子, 砂川春樹, 牧志佑子, 穴井豊昭, 野瀬昭博
    • 雑誌名

      日本作物学会記事 73(別2)

      ページ: 352-353

  • [雑誌論文] アイスプラントを用いた土壌脱塩技術の可能性2004

    • 著者名/発表者名
      東江 栄
    • 雑誌名

      熱帯農業 48(5)

      ページ: 294-298

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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