園芸植物の(花壇苗)として需要の大きなPetuniaは、既存の品種に新たな形質を付与したことで爆発的な需要の増大が見られるようになった。しかし、異ゲノム間の交雑が不可能なためペチュニア品種の新系統の育種には限界が見られる、そこで、実際に異ゲノム間(2n=14と2n=18の原種)で交雑し、「橋渡し種」を検索し、得られた子房もしくは種子は胚珠培養もしくは無菌播種によって育成し、異ゲノム間雑種植物体を作出することを目的とて行った。新たな雑種・品種系統作出の可能性を調査することで、Petunia属間の新品種の育成に貢献できる知見を得ることが出来ると考えられる。本研究は平成15年度から平成17年度までの3年計画で行い、今年度は以下の1〜3の研究を行いある程度の成果が得られた。 1.橋渡し種の特定 平成15年度に異ゲノム間交雑親和性調査によって得られた横軸を元に橋渡し種を特定し、いくつかの組み合わせに絞って交配を行なった。各組み合わせ50交配を行なったところ、その内数種の組み合わせで肥大したさく果を得た。 2.胚珠培養 いくつかの組み合わせで、見かけ上は成熟した種子が得られ無菌播種を行なったが発芽に至らなかった。そのため、未成熟のさく果をただちに胚珠培養に用いた。12の交配組み合わせから1組み合わせで子葉・本葉が展開した。現在、培養器内で、増殖中である。 3.雑種検定 本年度は、交雑によって植物体(雑種個体と考えられる個体)が得られたが、培養器で増殖中のため、雑種検定までは行うことはできなかった。
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