研究課題
1.シロイヌナズナ罹病性変異体EMS処理を行ったシロイヌナズナ変異株ライブラリーについて、非宿主炭そ病菌(ウリ類炭そ病菌Colletotrichum lagenarium)に対して罹病性を示す変異体のスクリーニングを行い、現在までに3種の罹病性変異体を同定し、scl変異体と名付けた。野生型との交配実験の結果、scl変異体は、いずれも劣性の単一遺伝子座の変異によるものであることが示された。さらに、変異体間の交配実験の結果、少なくとも2変異体は、同一の遺伝子座の変異を有することが示された。この遺伝子座をscl1と命名した。また、ウリ類炭そ病菌を接種したシロイヌナズナにおいては、菌側の付着器形成に対してカロースを含むパピラ形成が観察された。シロイヌナズナのPMR4/GSL5遺伝子は、パピラに含まれるカロース合成に必要であることが近年報告されている。ウリ類炭そ病菌をpmr4変異体に接種した場合、野生型Col-0とは異なり、明確な病班形成が観察された。この結果より、パピラにおけるカロース蓄積が炭そ病菌に対するシロイヌナズナの非宿主抵抗性に関与していることが示唆された。2.Virus-Induced Gene Silencing (VIGS)を用いた非宿主抵抗性因子のスクリーニングベンサミアーナタバコにおける均一化cDNAライブラリーとVIGSを組み合わせた遺伝子機能解析システムが確立されている。ベンサミアーナタバコが異なる罹病性あるいは抵抗性の度合いを示す複数の炭そ病菌を同定した。VIGSを用いてランダムに遺伝子をノックダウンしたベンサミアーナタバコに、病原性レベルの異なる炭そ病菌を接種し評価することにより、非宿主抵抗性に関与する遺伝子をスクリーニングする系を確立した。
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