アイソフォーム特異的な機能の関与が示唆されているキイロショウジョウバエのTv neuronという神経細胞のリモデリング過程を材料に、遺伝学および逆遺伝学的アプローチをおこなう。本年度は実際にTv neuronのリモデリングが脱皮ホルモンシグナルによって支配されているか否かをより直接的に検証するために、Tv neuron特異的にエクジステロイドを修飾して不活化する酵素を発現させて、脱皮ホルモンシグナルを全てシャットダウンすることを試みた。 バキュロウイルスの持つEGT(Ecdysteroid UDP-Glucose Transferase)遺伝子をカイコ核多角体病ウイルスのゲノムDNAを鋳型にPCR法により増幅し、クローン化し、当該遺伝子産物にはN末端に分泌シグナル配列が存在するため、その部分をコードするDNA配列を除き、産物が細胞質内にとどまるようデザインした。Pエレメントベクターを用いてUAS-EGTを導入された形質転換ショウジョウバエ系統を作出した。現在系統のホモ化および実験計画上有用な系統の選抜を行つている。また、形質転換ベクターにはpUASTを用いた。
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