研究課題
家庭用生ごみ処理機を用いて代表的な農産廃棄物のひとつである小麦ふすまの分解を行った。また優れた多糖分解能力を有する糸状菌Aspergillus aculeatusを用いて小麦ふすまの分解を行った。次に、未利用資源から糖質を得るために、糸状菌Aspergillus aculeatusにUVを用いて変異を導入し変異株の取得を行った。高速液体クロマトグラフィーによる糖組成分析の結果、全糖については0日目、9日目同様にD-グルコース、D-キシロース、L-アラビノースが確認された。可溶性糖の0日目にはマルトトリオース、マルトース、D-グルコース、D-キシロース、L-アラビノースが含まれていることがわかった。坂口フラスコを用いて28℃の恒温室で小麦ふすまの分解を試みた。可溶性糖量は1.0mgから0.1mgまで減少し全糖については39.8mgから14.1mgと約75%の減少が確認できた。高速液体クロマトグラフィーを用いた糖組成分析の結果、0日目の可溶性糖には各種オリゴ糖、D-グルコース、D-キシロース、L-アラビノースが確認され、15日目の可溶性糖にはD-グルコース、D-キシロース、L-アラビノースが確認できた。A.aculeatusを用いて容易に小麦ふすまを分解することに成功した。しかし分解だけでなく消費もされており糖類の抽出には至っていない。そこで小麦ふすまから糖類の抽出を行うためA.aculeatusに変異を導入しペントースの代謝経路を壊してやり、目的ペントースを蓄積するような変異株の作製を試みた。UVを用いてA.aculeatusに変異導入を試みたが、胞子形成能が欠如した変異株やキシリトールを含む培地上での生育が遅い変異株も確認できたが目的変異株の獲得には至っていない。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (3件)
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