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2003 年度 実績報告書

吸血性ダニ由来新規接触相阻害物質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15780073
研究機関神戸大学

研究代表者

岩永 史朗  神戸大学, 農学部, 助手 (20314510)

キーワード吸血性ダニ / 接触相 / 高分子キニノゲン / 血液凝固第XII因子
研究概要

現在までに申請者はフタトゲチマダニより新規接触相阻害物質を同定し、これがZn^<2+>依存的に高分子キニノゲン及び血液凝固第XII因子中と結合し、両接触相因子が異物と結合するのを阻害して、接触層活性化を阻害することを明らかとしている。本研究ではさらに詳細な阻害機構解明を試みるため以下の実験を行った。まず、接触相阻害物質が2つのKunitz型蛋白質ドメインが連なった構造を持つことに着目し、各ドメイン(N-domain,C-domain)の組換え蛋白質を作製して、それぞれの阻害活性に対する寄与を検討した。その結果、N-,C-dmainともZn^<2+>依存的に標的分子の異物結合ドメインと特異的に結合した。さらに高分子キニノゲンの異物結合ドメインの変異体を作製し、N-,C-domainの結合する部位を特定した結果、N-domainが異物結合ドメインのZn^<2+>結合部位に結合すること及び、C-domainがZn^<2+>結合部位、細胞結合部位の両部位に結合することが明らかとなった。また、各ドメインの接触相阻害活性を調べた結果、C-domainはN-domainと比較して著しく強く接触相活性化を阻害した。以上の結果より、本研究で対象とする接触相阻害物質はC-domainによって接触相因子の細胞結合部位と相互作用し、これにより接触相因子が異物と結合することを阻害すると示唆された。また、N-domainは接触相因子のZn^<2+>結合部位と相互作用し、これによりC-domainの相互作用を強める役割を果たすと考えられた。一方、接触相因子-阻害物質間の相互作用における構造情報を得るために高分子キニノゲンの異物結合ドメインと接触相阻害物質との複合体を調製し、結晶化を試みたが良好な結晶は得られていない。そこで接触相阻害物質単独の結晶化を試み、現在3種の結晶を得ている。これについては解析を進めている段階である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Shiroh Iwanaga: "Identification and characterization of novel salivary thrombin inhibitors From the tick, Haemaphysalis longicornis."European Journal of Biochemistry. 第270巻. 1926-1934 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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