1型、および2型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのキナーゼ活性中心におけるD/A変異体を取得した。Yeast two-hybrid法のbaitタンパクとして利用するため、同変異体の活性消失の確認を行った。HEK293T細胞に基質タンパクであるtroponin IのcDNAとともに形質導入し、cGMPアナログである8-CPT-cGMPで刺激した結果、troponin Iのband shiftが認められないことから、活性欠損変異体であることを確認した。そこで、1型および2型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのD/A変異体をbaitとしてYeast two-hybrid法による相互作用する因子の探索を、マウス精巣、マウス胎児、およびヒト軟骨由来cDNAライブラリーを用いて行った。2型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのD/A変異体をbaitとして用いた場合には、候補クローンを得たが、再度、相互作用の確認を行った結果、擬陽性であることが判明した。しかし、1型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのD/A変異体をbaitとして用いた場合には、候補クローンの中から一つの陽性クローンを取得した。同クローンの塩基配列を決定したところ、titin遺伝子をコードしていることが明らかとなった。現在、同因子との相互作用に関する詳細な解析を行っている。9型ホスホジエステラーゼ(PDE9)過剰発現マウスの確立を目的として、pEF/PDE9の構築を行なった。HEK293T細胞において、NO刺激によるtroponin Iのリン酸化反応を確立した後、pEF/PDE9を過剰発現させた際の同リン酸化反応に対する影響を検討する予定である。
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