1型、および2型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのキナーゼ活性中心におけるD/A変異体を取得し、Yeast two-hybrid法のbaitとして利用することによって、相互作用する因子の探索を行った。マウス精巣、マウス胎児、およびヒト軟骨由来cDNAライブラリーを用いて行った。2型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼのD/A変異体をbaitとして用いた場合には、候補クローンを得たが、再度、相互作用の確認を行った結果、擬陽性であることが判明した。しかし、1型cyclic GMP依存性プロテインキナーゼ(PKG1)のD/A変異体をbaitとして用いた場合には、titinが陽性クローンとして単離され、動物細胞における発現によっても両因子の相互作用が確認された。また、PKG1野生型との相互作用が認められなかったことから、titinはリン酸化タンパクであり、リン酸化によってPKG1と解離する可能性が示唆された。さらに、PKG1のdeletion mutantを作製し、相互作用について詳細に検討した。その結果、両者の相互作用は、PKG1のN末端のleucine zipper構造には依存せず、現在までPKG1と相互作用することを見出しているtroponin TやGKAP42とはその性質が異なる点で極めて興味深い。
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