• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

色素細胞分化誘導物質の探索ならびに作用機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 15780090
研究機関秋田県総合食品研究所

研究代表者

畠 恵司  秋田県総合食品研究所, 生物機能部門, 主任研究員 (80360353)

キーワード色素細胞 / 分化誘導 / メラニン色素 / Lupeol / ルパン型トリテルペン / キク科植物
研究概要

我々はこれまでlupeolを始めとしたルパン型トリテルペンが、マウスメラノーマB16 2F2細胞分化を誘導することを報告してきた。本年度はlupeolのB16 2F2細胞分化におけるメカニズム解明を目的に、種々のシグナル伝達系阻害剤を用いた結果、protein kinase A (PKA)阻害剤であるH89がlupeolによる同細胞メラニン産生促進活性を抑制した。逆に、cAMPなどの種々のPKA活性化物質は単独でB16 2F2細胞分化を誘導し、lupeolと同時添加により、協調作用を示したことから、lupeolによるB16 2F2細胞分化誘導ではcAMP-PKA系が重要な役割を担うことが推察された。さらに、p38 mitogen-activated protein kinase (p38 MAPK)の阻害剤であるSB203580もまた、lupeolの作用を抑制した。Western blottingによりlupeol添加したB16 2F2細胞ではp38 MAPKの活性化も検出されたため、lupeolによるB16 2F2細胞に対する刺激はc-AMP-PKA系の下流で、p38 MAPKの活性化を通じ、核内に情報が伝達され、チロシナーゼの発現に繋がると考えられる。
さらに、アキノノゲシ(Lactuca indica)からlupeolのC-3位のβ-水酸基に長鎖脂肪酸が付加したlupenyl palmitateを単離し、B16 2F2細胞分化に対する影響を検討した結果、lupeolに比べ活性の低下が認められた。このことから、ルパン型トリテルペンのB16 2F2細胞分化にはC-3位の構造が重要であるという結論にいたった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Keishi Hata, Kazuyuki Hori, Saori Takahashi: "Role of p38 MAPK in Lupeol-Induced B16 2F2 Mouse Melanoma Cell Differentiation"Journal of Biochemistry. 134(9). 441-445 (2003)

  • [文献書誌] 畠 恵司, 堀 一之, 向山 俊之, 坂本 賢二, 高橋 砂織: "アキノノゲシ(Lactuca indica)由来メラニン産生促進物質"Natural Medicines. 57(6). 238-241 (2003)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi