1)フィブロネクチンおよびHRGのリジルエンドペプチダーゼ消化ペプチドはEGCGに対して結合する。フィブロネクチンの結合部位はヘパリン結合ドメインIIであり、HRGの結合部位はシスタチンドメイン1および2である。これらの結合部位におけるアミノ酸配列の相同性を調べるためにマルチプルアライメントを行ったところ、非常に疎水性に富んだ配列が検出された。この配列はフィブロネクチンの14番目のIII型リピート内にあるインテグリン機能調節部位に相当する。 2)1)で得られた配列を用いて、EGCGに対して結合することが知られているフィブリノーゲン、67LR、PDGFRbについてマルチプルアライメントを行ったところ、同様の配列が検出された。但し、67LRにおいてはEGCG結合配列として予測された部位は67LRの細胞内ドメインであった。 3)67LRおよび、67LRの細胞内ドメインを削った発現プラスミドを構築し、293細胞に発現させ、細胞破砕液をEGCG固定化カラムにかけ、67LRに対するウエスタンブロットにより検出を行った。その結果、67LRはEGCGに結合し、67LRの細胞内ドメイン欠失体は結合が抑えられることが示された。 現在、67LRの細胞外ドメインにおけるEGCG結合部位の予測を行い、67LRの細胞外ドメイン欠失体および、フィブロネクチンのインテグリン機能調節部位欠失体の作製を行っており、EGCGと相互作用するアミノ酸配列の絞り込みを行っている。
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