研究概要 |
昨年度までに、(1)オルトゴナルグリコシル化によるセロテトラオース誘導体の合成、(2)メチルセロテトラオース誘導体をアクセプターとするグルコースオルトピバレーと誘導体の開環重合によるA-B-ブロックタイプセロオリゴ糖誘導体の合成を行った。さらに、(3)ブロックタイプセロオリゴ糖ライブラリーの保護基の変換と誘導体の性質を明らかにした。H16年度は、(4)グリコシル化合成ブロックとしてのグルコース誘導体のデザインおよびその合成、(5)非還元末端にメチルブロックを有するA-B-Aブロックタイプセロオリゴ糖誘導体の合成、(6)ブロックタイプセロオリゴ糖誘導体の物理的性質の検討を計画した。 合成ブロックとしてベンジル化セロビオシルイミデートが高い反応性と、高いベータ立体選択性を有することが分かった。このブロックをBブロックとして用いることにより、ABAブロック型セロオリゴ糖誘導体6量体合成法を見いだすことが出来た。また、4-O-acetyl-3-O-benzyl-2,6-di-O-pivabyl-glucopyranosyl fluorideを3-O-benzyl-glucoseから4段階で得た。この合成ブロックをグリコシルドナーとして用いることにより、重合度が奇数であるセロトリオースの合成も行った。一方、昨年度までに合成に成功している両親媒性を有するブロック的にメチル化されたセロオリゴ糖誘導体の4-8量体混合物は界面活性能を有することが新たに判明した。以上、本年度計画していた研究についてはほぼ計画通りに遂行でき、加えて発明の名称「オリゴ糖からなる界面活性剤」の特許を出願することができた。
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