1.マダイマイクロサテライトマーカーの単離 マダイイリドウイルス耐病形質を識別可能な遺伝マーカーを単離するためには、100個程度のマイクロサテライトマーカーが必要となる。詳細な解析を行うためには、さらに多くのマイクロサテライトマーカーが必要となる。昨年度までにマダイゲノムライブラリーを作成し140個のマイクロサテライトマーカーを単離した。本年度は新たにマダイゲノムライブラリーを作成し、約90セットのマイクロサテライトマーカーのプライマーを設計した。設計されたプライマーを用いてDNA多型性を検討した結果、49セットのプライマーでDNA多型性を検出し、マイクロサテライトマーカーを開発する事に成功した。単離したマイクロサテライトマーカーを用いて、来年度に耐病形質解析に用いる予定である。 2.マダイマイクロサテライト連鎖地図の作成 (株)日本水産・中央研究所大分海洋研究センターにおいて飼育されているマダイイリドウイルス耐病性系統と感受性系統を交配したF_1(雑種第一代)家系が平成14年度に作出された。平成15年度にこのF_1家系に耐病性系統と感受性系統とをそれぞれ戻し交配し、マダイイリドウイルス耐病形質解析家系の作出を作出した。この戻し交配家系において、これまでに開発したマイクロサテライトマーカーを用いて、マダイマイクロサテライト連鎖地図を作成した。これまでに、132個のマイクロサテライトマーカーが配置された連鎖地図を作成した。今回作成したマダイマイクロサテライト連鎖地図においてもいくつかの連鎖群で、ニジマスやヒラメなどの魚種で報告されている同一マーカー座間における遺伝的組み換え率の雌雄差が見られた。そのため、雌雄で別々にマダイマイクロサテライト連鎖地図を作成した。
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