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2003 年度 実績報告書

イガイ類の付着機構に関する生化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15780139
研究機関北海道大学

研究代表者

田中 啓之  北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (90241372)

キーワード付着生物 / イガイ / 足糸 / チロシナーゼ / カテコールオキシターゼ / DOPA / アカザラガイ
研究概要

イガイ類の付着器である足糸は、足より分泌された足糸タンパク質が硬化した物であると考えられている。特にこの足糸タンパク質には、ヒドロキシル化されたチロシン(DOPA)が多く含まれることから、チロシナーゼ(カテコールオキシダーゼ)が引き起こすキノン架橋形成反応が硬化に関わっていると推測されている。そこで、本年度は、イガイに近縁で同様の付着器を持ち、入手の容易なアカザラガイを材料として、まず、そのチロシナーゼ活性の測定法を検討し、ついで各体部におけるチロシナーゼ活性の比較を行った。さらに、足からのチロシナーゼ精製を試みた。その結果、MBTH法により、体液、鰓、外套膜、足、さらに、足糸自体にチロシナーゼ活性を検出した。特に鰓、外套膜および足糸における活性は他の部位に比べて高かった。これらのことより、チロシナーゼが足糸形成のみでなく。体液の凝固や創傷の治癒等に関わっている可能性が示唆された。また、これらの活性は低塩濃度下よりも高塩濃度下において高く、pH5.4よりもpH6.8において高かった。また、凍結、95℃・10分間の加熱、または10mM 2-メルカプトエタノールの添加によって消失した。ついで、Waiteの方法に基づき、アカザラガイの足を1M NaClおよび0.005%Tritonを含む緩衝液でホモジナイズし、チロシナーゼを抽出した。抽出物の硫安分画を行ったところ、既報の通り、20-40%飽和硫安画分にチロシナーゼ活性を得ることができた。しかし、この画分について、SDS-PAGE並びにNativeアガロースゲル電気泳動を行った結果、チロシナーゼは種々の夾雑タンパク質とともに、高度の凝集状態にあることが示唆され、さらなる精製は行えなかった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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