研究概要 |
1.「氾濫域流況詳細解析モデル」の改良 16年度に構築した「氾濫域流況詳細解析モデル」では,氾濫域の流れと氾濫域内に設けられている小水路の流れの統合モデルの構築が目的であった.このため,氾濫域内の流れの解析に用いられている移動境界モデルは,従来からあるモデルを用いており,境界の移動に伴って連続性が保障されないという問題があった. 17年度は,新たに水際境界が移動する流れを精度良く解析できる移動境界アルゴリズムを開発し,上記の「氾濫域流況詳細解析モデル」に組み込んだ.これにより,低平農地への氾濫水量が正確に求められ,本モデルを排水施設系の施設の計画に用いることが可能となった. 2.GISによる被害の分析 本モデルの解析結果について,氾濫域や被害箇所の空間分布や被害量をGIS(地理情報システム)により容易に把握できるよう,解析結果をArcGISのシェープファイルに変換するプログラムを構築した.これにより,洪水や高潮,津波といった低平農地における氾濫災害に関する数値解析結果を農家や地域住民にも容易に把握できるハザードマップとして提供することが可能になった.
|