作物、栽培様式、機械・装置により変化する作業環境並びに作業者をCADデータ化し、作業負担の小さい作業環境を効率的にシミュレートする手法を開発し、従来の作業姿勢解析法では困難であったユーザビリティに重点をおいた総合的な作業環境の評価を行うことを目的とする。そのため、機械・装置だけではなく、新たに生育ステージで変化する作物や栽培様式のCADデータの蓄積、構造化を図ると同時に、近年人間工学設計に導入されてきたコンピュータ・マネキンによる解析手法を利用し、作業者のCADデータ化を行う。最終的に、ユーザビリティの高い作業環境のモデルを提案し、園芸施設内での栽培管理に適用し実証する。 2004年度は、昨年度導入したコンピュータ・マネキンシステムに適合したモーション生成システムを構築するとともに、高さ・幅の異なる高設栽培ベッドと作業者の関係の解析を行った。その結果、以下の知見が得られた。 1.オージス総研製コンピュータ・マネキン「quete」について、ビデオ画像から取り込んだBVH形式のモーションデータを翻訳し、再現できるシステムを構築した。 2.簡易移植器を利用した電動苗運搬車による野菜セル成型苗の定植作業について、上記システムを適用したところ、容易にマネキンモデルのモーションデータとして取り込むことができた。 3.高さ・幅を変えた高設栽培ベッドのモデルについて、身体条件の異なる作業者の身体各部位に作用する負荷をマネキンモデルの力学的負荷推定で検証し、適切な作業条件となり得るベッド条件を明らかにすることができた。
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