研究概要 |
本研究では,市民農園参加者や市民農園管理者に対して,作物栽培に秀でた人間の知識や経験にもとづいた作物栽培の情報提供を行うことができるDBシステムについて,宇大市民農園を一つの対象事例として,開発を行った。得られた結果は,以下のとおりである。 1 作物11種類の基礎的な栽培方法について,書籍やインターネットから収集したデータにもとづき,一般情報データベースの構築を行った。その結果,作物栽培の入門知識,全作物に共通する基礎知識や作業方法,および作物ごとに土づくりや肥料,病気の予防,連作と連作障害などの項目について,詳細な内容の表示が可能になった。 2 宇大市民農園参加者40人の農園日誌やアンケート調査から,211件についての事例情報による事例情報DBを構築した。また,索引語として410語を登録し,空間ベクトルモデルを用いて,検索システムエンジンの構築を行った。検索結果表示画面では,類似度の数値やグラフを用いることによって,事例データの一致度の比較が可能になった。 3 情報端末操作の習熟度の浅い市民農園参加者と情報管理者を想定し,情報管理システムを開発した。その結果,Web上での容易な操作で,一般的情報DB,索引語辞書,事例DB,農園日誌DB,参加者リストファイル,およびDB行列化プログラムの管理が可能になった。 4 開発した検索システムは,一般的情報DBと事例DBを合計した情報量が2,000件,索引語を2,000語とした場合,検索時間は約1秒以内となり,十分な速度の検索が可能であると確認された。 5 Webサーバ上に,Perl言語によるCGIプログラムを用いたシステムの管理プログラムは,合計で2MB以内であり,Webサーバーの記憶容量の負担を少なくするとが可能となった。
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