既にデータベースに登録されているウシのレプチンレセプターの細胞外の領域に当たる部分配列をもとにPCRを行い、そのPCR断片のシークエンスを確認後発現ベクターに組み込んだ。このベクターを大腸菌にトランスフォーム後、レコンビナントレプチンレセプタータンパクを大腸菌内で大量発現し精製を行った。こうして得られたレコンビナントタンパクをウサギに免疫し、抗レプチンレセプター抗体を作成した。この抗体を用いてWestern Blotを行い抗原に用いたレコンビナントレプチンレセプタータンパクとクロスすることを確認した。 また肥育牛の肥育に伴う血中のレプチン可溶性レセプターとレプチン濃度、さらには増体、試料摂取量との関連を調べるために同様の手法によりレプチンの抗体も作成した。現在はこれらの抗体を用いてラジオイムノアッセイ系の確立を計っている。 またデータベースに既に登録されているウシレプチンレセプターの複数の部分配列を基にPCR、RACE (rapid amplification of cDNA ends)を行い、全長塩基配列の決定を目指した。N末端の数残基について分かっておらず、全長塩基配列の決定までには至っていないが、これまでに明らかにした860アミノ酸残基においては、マウスとは75.2%、ヒツジとは95.3%の相同性が見られた。現在、5'-RACEにより残りのN末端を明らかにするとともに、今回明らかにしたレプチンレセプターの配列は長さから考えてマウスで言うところのcあるいはdタイプに相当すると思われるが、さらに3'-RACEを行いウシにおけるレプチンレセプターの各アイソフォームの配列を明らかにすることを目指している。
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