研究概要 |
1)PC-12細胞のER膜におけるcaspase-8局在の確認:密度勾配遠心分離を用いた細胞分画法により得られた細胞内膜フラクションにおいて、抗caspase-8抗体によるウエスタンブロットを行い、ラット副腎褐色細胞腫PC-12細胞におけるcaspase-8の細胞内局在を調べた。平成15年度の研究においてER膜フラクションにprocaspase-8と思われるバンドを検出していたが、新たに二次元電気泳動ウエスタンブロット等を用いた詳細な検討から、ER膜においてもprocaspase-8が存在し、既知の細胞膜局在procaspase-8と同じく、procaspase-8A,-8B両バリアントが存在するという結果が得られた。また、この過程において、細胞膜、cisゴルジ膜、及びER膜の各膜フラクション間のprocaspase-8A,-8Bバリアントの量を比較した結果、cisゴルジ膜では-8Bが優勢であったが、ER膜では細胞膜と同じく-8Aが優勢であるという結果が得られた。(投稿準備中) 2)蛍光顕微鏡を用いたER局在caspase-8活性の検出法の確立:PC-12細胞において、ERストレス由来アポトーシスをTunicamycin(N-glycosylation阻害剤)、Thapsigargin(ER局在Caポンプ阻害剤)等のERストレスインデューサーを用い誘導し、procaspase-12の切断活性化が確認できる条件下で、ER膜マーカーと抗caspase-8抗体を用いた免疫細胞染色を行い、ER膜局在caspase-8活性化の蛍光顕微鏡観察による検出を試みた。しかし、PC-12細胞におけるER局在caspase-8染色像の有意な変化を捉えることは出来なかった。画像解析を行った結果においても同様であった。
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