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2003 年度 実績報告書

高磁場BOLD-MRIによる早期および晩期脳機能傷害のキャラクタリゼーション

研究課題

研究課題/領域番号 15780200
研究機関北海道大学

研究代表者

浅沼 武敏  北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (40332473)

キーワードfMRI / BOLD / 痛覚 / α-クロラロース / 体性感覚野 / ホルマリン / カプサイシン / 実験動物
研究概要

早期および晩期脳機能障害における「脳機能」を評価するためにラット脳の高磁場fMRIの実現を行った。微細な解剖学的画像と明瞭なBlood Oxygenation Level Dependent (BOLD)コントラストを組み合わせることで、動物の脳代謝機構の画像化を研究する。本年度は、ラット脳におけるfMRIの実現を優先事項として行った。
ラットは鎮静剤α-タロラロースにて鎮静後、MRIグレーデルの上に頭部を固定し、20mmサーフェスコイルの中心を頭骸骨中心部(Bregma周辺)に固定した。Oxford超伝導7.05Tマグネット内にセット後、Varian UNITY INOVAスペクトロメーターにてMRI撮像を行った。BOLDコントラストを明瞭にするため、グラジエントエコー法にて撮像を行い、痛み刺激の前後の脳BOLD画像を5〜10秒毎に画像を撮像し、時間経過を記録した。痛み刺激の脳への負荷に伴う当該部位の活性化、続く酸素要求量の増加とそのための血流増加によるオキシヘモグロビンの増加が起き、MRI画像として捉える事ができた。次に、刺激前のBOLD画像と画像解析用ソフトウェアにてBOLD-MRI画像を構成している画素子毎に統計処理を行い、統計差のあった領域の空間情報を得た。これを刺激負荷前の脳MRI画像と重ね合わせ実験動物のfMRIを完成させた。
結果、ホルマリン刺激では刺激後20分近く血流量が増加し、痛みに対して長時間脳が活動していることが判った。しかし、カプサイシン刺激は1分以内に当該部位の信号が消失し、ホルマリンの様に長時間活動する領域は観察されなかった。これは多くの報告にあるように、ホルマリンが組織障害を引き起こす痛みをもたらすのに対し、カプサイシンはバニロイドレセプターを介した刺激伝達を起こしている事を反映しているためと結論された。
次年度は、さらなる画像の鮮鋭化を行いつつ、この「fMRIによる痛みの評価系」を用い、脳障害モデルにおける早期と晩期の損傷領域とその周辺部での脳活動への影響、防護剤による脳活動領域の防護効果を評価する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Asanuma T., Matsumoto Y., Takiguchi M., et al.: "Magnetic resonance imaging and immunoblot analyses in rats with experimentally induced cerebral alveolar echinococcosis."Comparative Medicine. 53(6). 649-656 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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