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2004 年度 実績報告書

作物におけるミトコンドリアから核ゲノムへの遺伝子転移の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15780215
研究機関京都府立大学

研究代表者

久保 中央  京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (60347440)

キーワードミトコンドリア / 遺伝子転移 / イネ / エンドウ / オオムギ
研究概要

本年度は、これまでに単離したミトコンドリアゲノム上に存在する遺伝子、及び、ミトコンドリアゲノムから核ゲノムへ転移した遺伝子の構造の解析を行った。
オオムギミトコンドリアのrps2遺伝子は、下等植物ゼニゴケの遺伝子と比較して遺伝子の3'-末端側が拡張しており、この拡張領域はイネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシの四者で全く異なっていたが、これら以外の植物種でのrps2遺伝子の構造は全く知られていない。そこで、rps2遺伝子の構造をムギ類野生種で比較した。
コムギ族に属する19属の野生種(オオムギ、コムギ、ライムギ等の作物を含む)について、オオムギのrps2遺伝子の3'-末端と類似の構造を持つもの(オオムギ型)と、コムギのrps2遺伝子の3'-末端と類似の構造を持つもの(コムギ型)の分布を調査した。その結果、オオムギ型のrps2遺伝子は、オオムギ以外にも8つの属に存在することが明らかになった。一方、コムギ型のrps2遺伝子は、調査に用いた19種の属全てに存在することが明らかになった。このことから、種によっては、オオムギ型とコムギ型両方のrps2遺伝子を併せ持っていることが明らかになった。オオムギ型rps2遺伝子の分布は、コムギ族の系統樹において比較的散在して存在していたため、コムギ族の進化の過程でオオムギ型rps2遺伝子のランダムな消失が起こったことが推察された。
また、核に存在する電子伝達系の遺伝子の一種、coxVb遺伝子をエンドウより単離した。coxVb遺伝子は、エンドウの核ゲノムに単一コピー存在し、mRNAとして転写されていることが明らかになった。既に報告されているイネ及びシロイヌナズナの対応する遺伝子と比較したところ、イントロンの挿入箇所が植物種間でよく保存されていることが明らかになった。しかしながら、イントロンの長さについては、大きな差異が認められた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Structural and distributional variation of mitochondrial rps2 gene in the tribe Triticeae (Poaceae)2005

    • 著者名/発表者名
      N.Kubo, B.Salomon, T.Komatsuda, R.von Bothmer, K.Kadowaki
    • 雑誌名

      Theoretical and Applied Genetics (印刷中)

  • [雑誌論文] Construction of a molecular linkage map of radish (Raphanus sativus L.), based on AFLP and Brassica-SSR markers2005

    • 著者名/発表者名
      M.Tsuro, K.Suwabe, N.Kubo, S.Matsumoto, M.Hirai
    • 雑誌名

      Breeding Science 50・1

      ページ: 107-111

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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