研究概要 |
1 PHGPxの新たなアイソフォームの遺伝子配列を決定し、核小体に特異的に局在することを見いだし、核小体型PHGPxと名付けた。この核小体型PHGPxの恒常的高発現株の作製に成功した。核小体型PHGPx高発現株は核小体に傷害を与えるアクチノマイシンDや、ドキソルビシンに対しで耐性をしめすことが明らかとなった。Prelimimaryな結果だが、IgE抗原刺激におけるTNF産生は抑制しなかった。 2,非ミトコンドリア型PHGPx高発現株はIgE抗原刺激によるTNF産生を抑制したが、この際JNKのリン酸化を顕著に抑制すること、またJNK活性も抑制されていることが明らかとなった。ミトコンドリア型PHGPx高発現株では、全くJNK活性およびJNKのリン酸化には影響が見られなかった。 3,ミトコンドリア型PHGPx高発現もIgE,抗原刺激によるTNF産生を抑制したが、ミトコンドリア型PHGPxはIkBのリン酸化を抑制すること、刺激に応じたIKK活性化が抑制されていることが明らかとなった。一方、非ミトコンドリア型PHGPx高発現株ではIgE抗原刺激におけるNFkB経路への影響は見られなかった。 4,このように、異なうオルガネラに発現するミトコンドリア型、非ミトコンドリア型、核小体型PHGPxはIgE抗原刺激に対して、異なるシグナル経路(非ミトコンドリア型はJNK経路、ミトコンドリア型はNFkB経路)の活性化を抑制して、TNF産生を抑制していることが明らかとなった。
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