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2003 年度 実績報告書

プロテアソーム阻害物質チロペプチン類縁体による細胞内蛋白質の変動と生物活性

研究課題

研究課題/領域番号 15790059
研究機関(財)微生物化学研究会

研究代表者

百瀬 功  (財)微生物化学研究会, 微生物化学研究センター・沼津創薬医科学研究所, ユニット長 (10270547)

キーワードプロテアソーム / プロテアソーム阻害物質 / チロペプチン
研究概要

【背景】プロテアソームは蛋白質分解酵素であり、細胞周期やシグナル伝達に関する細胞内蛋白質の分解を通じた細胞機能の制御に重要な役割を果たしている。また癌の進行や増悪化にも関与していることから、我々は微生物代謝産物からプロテアソーム阻害物質の探索を行った。その結果、新規阻害物質チロペプチンを見いだし、更に類縁体合成研究の中から強力な阻害活性を有する類縁体を合成した。
【研究実績】新規阻害物質チロペプチンの合成類縁体TP-110はプロテアソームのキモトリプシン様活性を特異的に阻害(IC_<50>=27nM)するが、トリプシン様活性やPGPH活性には阻害活性を示さなかった(>100μM)。次ぎにヒト前立腺癌PC-3細胞に対する影響について調べた。TP-110は30ng/mlのIC_<50>値で細胞増殖を抑制した。細胞周期に与える影響を調べるとG1期およびSub-G1期の細胞が増加し、G2/M期およびS期の細胞が減少した。細胞周期のG1期停止に重要な働きをする機能蛋白質として、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるp21^<CIPI/WaFI>およびp27<KIPI>があり、それらに対するTP-110の影響を調べた。TP-110で処理された細胞は、細胞内にp21およびp27蛋白質を顕著に蓄積し増大させた。このときp21mRNAの発現を誘導したが、p27mRNAの発現量には変化を与えなかった。このことからTP-110によるp21蛋白質の増大は、発現誘導もしくは発現誘導に加えてプロテアソームによる分解抑制の2つの作用によるものと考えられる。一方p27蛋白質の増加は分解抑制によるものと考えられる。さらにTP-110はPC-3細胞に、クロマチン凝縮、DNA断片化を示したことからアポトーシスを誘導することが明らかになった。またPC-3細胞以外の細胞株に対する影響については現在検討中である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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