Xenopus laevis oocyteを利用したMn transporterのfunctional cloning 前年度までに、カドミウム耐性細胞株およびその親株細胞から抽出した全mRNAを卵母細胞に注入して放射標識したMnの取り込み量を調べることにより、親株細胞由来の全mRNAの中にMn輸送に関与する遺伝子産物が含まれる事を確認した。そこで、親株細胞由来のmRNAを鋳型とする完全長cDNAを合成し、このcDNAを発現ベクターに組み込んだ後に大腸菌に導入して、約10000コロニー/plateになるように大腸菌を播いた。このようなplateを50枚用意し、各plate上のコロニーをすべて回収してplasmidを抽出し、50通りのplasmid混合液を得た。この混合plasmidを鋳型として、in vitroで転写反応を行うことにより50種類の混合cRNA液を得た。この親株細胞由来のcRNA混合液を卵母細胞に注入して、Mnの取り込みについて検討したところ、50種類のcRNA混合液のすべての群でMnの取り込み量に大きな差が見られなかった。このような結果となった可能性としては、1)cRNAの調製上の問題、2)複数の因子がMn輸送に関与しているため、このような実験系では輪送系を再現するのは難しい。などが考えられる。現在、再度、完全長cDNAの発現ライブラリーの調製を行ない、卵母細胞を用いたMnの取り込み実験の再検討を行っている。
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