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2003 年度 実績報告書

水晶体における微量元素動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15790102
研究機関新潟薬科大学

研究代表者

鍋倉 智裕  新潟薬科大学, 薬学部, 講師 (90298993)

キーワード水晶体 / 白内障 / 微量元素 / セレン / 亜鉛 / カルシウム / マルチトレーサー / カルシウムATPase
研究概要

微量元素は生体内において様々な酵素反応の活性化因子及び不活性化因子として働き、その細胞内濃度が厳密に制御される必要がある。白内障は水晶体が混濁し視力障害をきたす疾病であり、その発症機構として紫外線等から発生する活性酸素種による障害が提唱されている。水晶体において微量元素が重要な役割を果たすことが考えられるため、本研究では正常及び白内障水晶体における微量元素、特に抗酸化作用を持つと考えられる亜鉛、セレン及び細胞内情報伝達に重要なカルシウムに着目し、その輸送機構について検討を行った。
正常ラット及び遺伝性白内障発症UPLラットより水晶体を摘出し、種々の放射性微量元素を含むマルチトレーサー中で培養したところ、両ラット水晶体にBe、Na、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Zn、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Tc、Ru、Rhの18核種が移行した。しかし、その移行量は核種により異なっており、また正常及び白内障水晶体で異なっていた。正常水晶体では18核種の中では亜鉛が最も多く水晶体に取り込まれていた。一方、白内障水晶体では正常水晶体と異なり、セレンの取り込みが最も大きかった。また、白内障ラット水晶体へは正常ラット水晶体と比べ、マンガン、コバルト、亜鉛の移行が大きかった。従って、白内障進行に微量元素輸送が大きな役割を果たしていることが推察された。
さらに、正常及び遺伝性白内障UPLラット水晶体における細胞内カルシウム量調節に重要な細胞膜カルシウムATPase、PMCAの発現を逆転写PCR法により検討したところ、白内障の進行に伴いPMCA発現量は上昇した。しかし、PMCAの駆動力である細胞内ATP量を測定したところ、白内障の進行に伴いATP量は低下していた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 鍋倉 智裕: "Expression of metallothionein in cataractous rat lens."Proceedings of the International Symposium on Bio-Trace Elements 2002. 71-73 (2003)

  • [文献書誌] 鍋倉 智裕: "Transport of trace elements in lenses of normal and hereditary cataract UPL rats."Toxicology. 191・2-3. 227-232 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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