研究課題
本研究では、腎尿細管細胞において低浸透圧刺激時に見られる調節性細胞容積減少(RVD:Regulatory Volume Decrease)時における、上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)の細胞内トラフィッキング制御機構の解明を目的としている。今年度は、1)RVD時に低下すると考えられる、細胞内Cl^-濃度変化の測定を行った。また、ENaCの細胞内トラフィッキングを可視化するため、2)ENaC+Green Fluorescent Protein (GFP)の融合発現ベクターを作成し、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)由来腎尿細管細胞(A6細胞)におけるGFP融合タンパクの安定発現株の確立を試みた。1)RVD時における細胞内Cl^-濃度の変化を測定するため、生細胞の体積と蛍光強度を同時に測定可能な、Cell Analyzer QUANTA(NPE systems)をもちいてA6細胞内Cl^-濃度の測定系の確立を試みた。Cl^-濃度感受性蛍光色素であるMQAEで処理したA6細胞を低浸透圧環境下におき、一定時間おきに細胞体積と細胞内Cl^-濃度を測定した。その結果、RVD時に細胞内Cl^-濃度が減少することを確認した。2)Xenopus laevisのαENaC、βENaC、γENaCの各遺伝子配列をPCRで増幅した後、pEGFP発現ベクター(BD Bioscience)に組み込み、各ENaC+GFPの融合タンパク発現ベクターを作成した。ENaC+GFP発現ベクターを、LIPOFECTAMINE2000試薬(Invitrogen)をもちいてA6細胞にtransfectした後、Geneticin添加選択培地を用いて培養し、Geneticin耐性細胞をクローン化した。
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