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2004 年度 実績報告書

2光子励起断層イメージングを用いた外分泌腺細胞における開口放出連関分子の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790122
研究機関生理学研究所

研究代表者

根本 知己  生理学研究所, 細胞器官研究系, 助手 (50291084)

キーワード2光子顕微鏡 / SNARE / SNAP23 / アクチン / 開口放出 / 溶液輸送
研究概要

本研究は2光子断層イメージングにより膵臓外分泌腺細胞における融合細孔形成の分子機構を可視化解析法の確立と応用を目指して実施した。その結果、本年度は次の成果をあげた。1.前年度に引き続き、水溶蛍光色素を用いて融合細孔形成現象とSNARE分子の側方拡散の因果関係を検討した。SNAP23-EGFPを発現するプラスミドを作成した。この融合タンパク質を発現するようにcDNAを組み込んだアデノウィルスを作成し、感染により膵臓外分泌腺初代培養腺房標本に遺伝子導入を行ったところ、腺腔膜上にSNAP23が局在することが明らかになった。さらに、アセチルコリン刺激を加えた場合、盛んに逐次開口放出が観察され、その開口放出を起こした分泌小胞膜状にSNAP23-EGPが側方拡散により再配置していく様子が観察された。これにより逐次開口放出がt-SNAREの側方拡散による可能性が高まった。(論文準備中)2.また、EGFP-β-アクチンを発現するアデノウィルスを用いることで、開口放出におけるアクチンの役割を明らかにした。特に、開口放出小胞に固有に生じるアクチン被覆を発見し、成果を出版した(J.Biol.Chem.,2004)。このアクチン被覆の破綻が急性膵炎の病因となる可能性を指摘した。また、基底膜でアゴニスト依存性のアクチン被覆が起きる事も見出した(論文準備中)。3.膵臓外分泌腺のカルシウム依存性塩素チャネルの機能分布をケイジドカルシウム試薬の2光子励起によりサブミクロンの解像で解明。狭い腺腔膜に高い発現が示唆された。腺腔側壁膜にも弱いながらも発現の可能性があり、push-pullモデルが支持される可能性が高まった(論文準備中)。4.鼻腺上皮組織においてカルシウム波動、逐次開口放出と溶液輸送を可視化(Cell Calcium, in press)。膵臓外分泌腺と異なり溶液輸送が開口放出に先行する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Two-photon microscopic analysis of acetylcholine-induced mucus secretion in guinea pig nasal glands2005

    • 著者名/発表者名
      A.Oshima, T.Kojima, K.Dejima, Y.Hisa, H.Kasai, T.Nemoto
    • 雑誌名

      Cell Ca. (In press)

  • [雑誌論文] Rapid Ca^<2+>-dependent increase in oxygen consumption by mitochondria in single mammalian central neurons2005

    • 著者名/発表者名
      Y.Hayakawa, T.Nemoto, M.iino, H.Kasai
    • 雑誌名

      Cell Ca. (In press)

  • [雑誌論文] Stabilization of exocytosis by dynamic F-actin coating of zymogen granules in pancreatic acini2004

    • 著者名/発表者名
      T.Nemoto, T.Kojima, A.Oshima, H.Bito, H.Kasai
    • 雑誌名

      J Biol.Chem. 279

      ページ: 37544-37550

  • [図書] インスリン分泌 第1章「インシュリン開口放出現象の可視化から何がわかるか」pp.39-422004

    • 著者名/発表者名
      畠山裕康, 高橋倫子, 根本知己, 河西春郎
    • 総ページ数
      195
    • 出版者
      文光堂(東京)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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