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2003 年度 実績報告書

グリア細胞アポトーシス発現におけるミトコンドリア蛋白の機能的役割

研究課題

研究課題/領域番号 15790140
研究機関神戸学院大学

研究代表者

田熊 一浩  神戸学院大学, 薬学部, 助手 (90289025)

キーワードアストロサイト / 遅発性細胞死 / アポトーシス / 活性酸素 / ミトコンドリア / Permeability Transition Pore / 細胞周期調節因子
研究概要

代表者の所属する研究グループは,グリア細胞の機能解明を通して脳機能を追究する目的で,脳内の主要グリア細胞であるアストロサイトの病態的意義に関して一連の研究を行ってきた.その過程において,アストロサイトにおけるNa^+-Ca^<2+>交換系の存在を見いだし(Glia,1994),インビトロ虚血-再灌流モデルの一つであるCa^<2+>再灌流において,本交換系を介したCa^<2+>過流入より遅発性グリア細胞死が発現することを見いだした(Eur.J.Neurosci.,1996).また,本障害のシグナルカスケードについて,活性酸素産生ならびにカスパーゼ3の活性化が関与するアポトーシスにより進行することを明らかとし(Eur.J.Neurosci.,1999),制御機構について,cGMP-Gキナーゼ系の活性化がミトコンドリアのPTP制御を介して抗アポトーシス作用を発現することを明らかとした(Br.J.Pharmacol.,2001;J.Biol.Chem.,2001).さらに,熱ショック蛋白がアポトーシスを抑制すること(Brain Res.,2002),カテプシンDが促進シグナルとして,一方,カテプシンBが抑制シグナルとして機能していることを見いだした(Neurochem.Int.,2003).本年度は,ミトコンドリアシグナルとの関連より,アストロサイトのアポトーシスにおけるNOの保護効果についてMAPキナーゼとの関連より検討した.また,アストロサイトのアポトーシスにおけるプロテアソームおよび細胞周期調節因子の役割についても検討した.さらに,神経細胞死発現過程におけるアストロサイトの役割を追求する目的で,アミロイドβ(Aβ)神経毒性モデルを用いて解析を行った.NOの細胞保護作用に関しては,cGMP/G-キナーゼ系とは独立してMAPキナーゼ系が関与していることを明らかにした.プロテアソームおよび細胞周期調節因子の役割については,プロテアソーム,cdc2/サイクリンBおよびCDK5の関与は少なくCDK1が関与する可能性を見いだした.神経細胞死発現過程における役割については,アストロサイトが液性因子を介して神経細胞をサポートすることを明らかとし,さらに,脳機能改善薬T-588が本作用の維持・改善により神経細胞保護作用を発現することを示した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] YAMAMURO, Akiko: "Possible involvement of astrocytes in neuroprotection by the cognitive enhancer T-588"Neurochemical Research. 28・12. 1779-1783 (2003)

  • [文献書誌] TAKUMA, Kazuhiro: "Astorocyte apoptosis : implications for neuroprotection"Progress in Neurobiology. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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