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2003 年度 実績報告書

生理活性脂質産生を介した細胞質型ホスホリパーゼA2の生体における機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15790162
研究機関東京大学

研究代表者

魚住 尚紀  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70313096)

キーワードホスホリパーゼA2 / プロスタグランジン / ロイコトリエン / 生理活性脂質 / 疾患モデル / 関節炎 / 破骨細胞
研究概要

ホスホリパーゼA2(PLA2)はグリセロリン脂質sn-2位のエステル結合を加水分解する。反応の結果として生じる遊離脂肪酸やリゾリン脂質は、それ自体あるいは代謝物が生理活性を発揮することが知られている。cPLA2a欠損マウスの解析をすすめ、コラーゲン誘導関節リウマチモデルたおいて関節炎の症状が著明に減弱していること、炎症性刺激に対する破骨細胞の誘導が抑制され炎症性骨吸収が減弱していることを見いだし、Journal of Experimental Medicine誌に発表した。
炎症・アレルギー性疾患に深くかかわるサイトカインネットワークとcPLA2aとの機能連関を明らかにするという観点から、腹腔マクロファージのサイトカイン産生量を測定した。LPS刺激した際のプロスタグランジンE2産生はcPLA2a欠損マウスにおいて約10分の1に低下するが、このときに同時に産生されるTNFa量は逆に増加していることを見いだした。個体レベルでの実験では、敗血症の疾患モデルとされるCLP(caecal ligation and puncture)、腹腔内LPS投与による致死作用の違いを検討したが、cPLA2aの有無は致死率に影響しないという結果を得た。現在、これらの疾患モデルにおける血清中の炎症性サイトカイン量の定量と臓器障害の評価を行っているところである。
また、遺伝子データベース検索を行ったところ、既知cPLA2と相同性を有する新規cPLA2が複数見いだされ、マウスよりRT-PCR法でcDNAクローニングした。これらの遺伝子産物の一過性発現系を構築し、ホスホリパーゼA2活性を有することを確認した。現在、生化学的性状の解析、ノーザンブロットによる発現臓器の同定を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hegen, M. et al.: "Cytosolic Phoapholipase A2a deficient Mice Are Resistant to Collagen-induced Arthritis"J.Exp.Med.. 197. 1297-1302 (2003)

  • [文献書誌] Miyaura, C. et al.: "An Essential Role of Cytosolic Phospholipase A2a in Prostaglandin E2-mediated Bone Resorption Associated with Inflammation"J.Exp.Med.. 197. 1303-1310 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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