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2003 年度 実績報告書

DNA損傷におけるがん細胞のアポトーシス誘導制御と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790163
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

吉田 清嗣  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (70345312)

キーワードがん細胞 / アポトーシス / DNA損傷 / プロテオミクス / c-Abl / PKCδ / Lyn / リン酸化
研究概要

本研究代表者はDNA損傷におけるc-Abl、Lyn、PKCδといったキナーゼ群のアポトーシスシグナルでの役割を、主にそのリン酸化によって制御される分子の同定を通じて明らかにしてきた。本研究ではこれらキナーゼ群のアポトーシス誘導機構を網羅的に解明する端緒として、これらの複合体構成因子の単離を目的としたプロテオミクス解析を行った。C-AblとPKCδについては複合体の同定並びに解析が進行中であり、その中で両方のキナーゼに共通の基質となるhRad9については機能解析が終了した。hRad9はアポトーシスを誘導するが、その制御機構は不明であった。研究代表者はRad9がc-Abl、PKCδそれぞれと結合しリン酸化を受けることで、Bcl-2/xLとの会合が制御されアポトーシス誘導が調節されていることを明らかにした。さらに、種々の手法を用いてこれらのキナーゼの細胞内局在を調べたところ、DNA損傷に伴って核に移行することを見い出した。核移行はアポトーシス誘導に必須であることから、現在上記のプロテオーム解析で複合体構成因子として単離されたいくつかの分子について、この核移行に関わるタンパク質群を同定し機能解析を進めている。いくつかのタンパク質が候補として挙がっているが、そのひとつはアダプター分子で、抗アポトーティックなキナーゼによるリン酸化によって制御されていることが判明した。さらにこのキナーゼ活性と核移行阻害とは正の相関があることから、現在種々のがん細胞を用いてより詳細なメカニズムを明らかにしようと試みている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshida, K., et al.: "Protein Kinase Cδ is responsible for constitutive and DNA damage-induced phosphorylation of Rad9."EMBO J.. 22・6. 1431-1441 (2003)

  • [文献書誌] Xu, H., et al.: "Regulation of a transient receptor potential (TRP) channel by tyrosine phosphorylation."J.Biol.Chem.. 278・13. 11520-11527 (2003)

  • [文献書誌] Li, Y., et al.: "DF3/MUC1 signaling in multiple myeloma cells is regulated by Interleukin-7."Cancer Biol.Ther.. 2・2. 37-43 (2003)

  • [文献書誌] Abbas, T., et al.: "Inhibition of human p53 basal transcription by down-regulation of protein kinase C δ."J.Biol.Chem.. 279(in press). (2004)

  • [文献書誌] 吉田清嗣, 三木義男: "がんの遺伝解析"現代医療. 35・7. 1501-1507 (2003)

  • [文献書誌] 吉田清嗣, 三木義男: "癌研究へのゲノム医学の応用"胆と膵. 24・5. 321-326 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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