研究概要 |
1.対象材料の収集と選別:培養結核菌および非結核性抗酸菌パネル、肺被包乾酪巣、滲出性肺結結核症のホルマリン固定パラフィン切片を選択し、抗酸菌染色(通常法およびFite法)にて抗酸菌の有無を確認した。 2.酵素抗体法:市販抗体(抗BCGポリクローナル抗体(DakoCytomation)、抗結核菌モノクローナル抗体(Chemicon))を使用し、アミノ酸ポリマー法およびCSA法(超高感度増感)にて陽性菌の有無を確認した。抗酸菌染色より高感度の成績が得られた。モノクローナル抗体を利用したVNC型(またはL型)結核菌の検出のためには、検出感度の点で超高感度増感が必要と判断された。抗非結核性抗酸菌抗体についても検討中である。 3.in situ hybridization (ISH)法:市販の抗酸菌診断キット(Amplicor^<TM>,Roche Diagnostics)に使用されている結核菌および非結核性抗酸菌に対するオリゴヌクレオチドプローブと同配列のプローブを合成依頼し、前処理至適条件を検討中である。DakoCytomation社のPNAプローブ(合成依頼)も検討予定である。また、感度に優れるcRNAプローブを利用したRNA-またはDNA-ISH法を並行して行う予定である。RNA合成キット(Riboprobe【○!R】,Promega)を使用し、PCRによるcRNAプローブの自家合成のための条件を検討中である。 4.PCR:パラフィン切片からの専用核酸抽出キット(ISOGEN PB Kit【○!R】,Nippongene)を利用し、RNAおよびDNAを抽出作業中である。上記診断キット(Amplicorr^<TM>)に使用されているプライマーと同配列のプライマーを合成依頼し、PCRおよびRT-PCRによる抗酸菌の同定条件について検討中である。
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