我々はこれまでに、マウスB hybridomaの一つで、当初、LPSへのB細胞の反応を見るために作られたTH2.52が、B-1に特徴的なCD5、IgM、Mac-1を発現したB-1様の細胞であること、この細胞がLPSレセプター(Toll like-receptor 4、CD14)を発現しているために、低濃度(10ng/ml以下)のLPSにも反応し、シグナル伝達が行われることを報告してきた。また、この細胞は、IFN-gamma (IFN-γ)に感受性が高く、IFN-γによってmacrophage様に分化することや、多量のnitric oxide (NO)が産生され、それによって一部にapoptosisが誘導されることも報告してきた。IFN-γに比べ、LPSによるNOの産生は少量であったが、TNF-alpha (TNF-α)やIL-6の産生はIFN-γとほぼ同様であった。TNF-αやIL-6と異なり、LPSによるNOの産生には、IFN-beta (IFN-β)の産生が重要なことが、報告されている。この細胞での、LPSによるIFN-βの発現をRT-PCRで半定量的にみたところ、macrophageに比べ少ないものの、IFN-βの発現がされていることがわかった。リコンビナントIFN-βを加えたところ、LPSによるNOの産生は増加しなかったことから、IFN-βの産生ではなく、IFN-βへの反応性が低いことが考えられた。これには、IFN-βのreceptorが欠損あるいは変異していること、IFN-βのreceptorからのシグナルに異常があることなどが、考えられ、今後も検討していく予定である。
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