• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

細胞増殖を伴わないキラーT細胞の機能分化のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 15790247
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

横須賀 忠  独立行政法人理化学研究所, 免疫シグナル研究グループ, 研究員 (10359599)

キーワードキラーT細胞 / 細胞傷害活性 / 細胞分裂 / 分化誘導 / サイトカインシグナル / ホメオスタシス増殖 / T細胞受容体シグナル
研究概要

Tリンパ球は抗原提示細胞に出会うと、TCR受容体(TCR)を介した刺激を受け、ナイーブ細胞からエフェクター細胞へと分化する。我々は、ウイルス感染や腫瘍免疫の中心を担っている細胞障害性T細胞(CTL)の分化誘導と細胞分裂とに関する研究を行った。まず、これまで我々が樹立したHIV抗原に対するTCRトランスジェニックマウスを用い、抗原特異的T前駆細胞の多いマウスと少ないマウスを作成し、抗原を発現しているトランスフェクタントによりin vivo刺激を行った。その結果、抗原特異的T前駆細胞の多いマウスでは、抗原刺激を受けたCTLが、細胞分裂なしにキラー活性を有することが明らかとなった。この現象はin vitroの実験系においても証明された。さらに、IL-2Rシグナルの阻害下では、細胞増殖行っているCTLもキラー活性を獲得できず、CTLの分化誘導にはTCRやIL-2受容体(IL-2R)を介した刺激は必須であるものの、細胞増殖は必要でないことが明らかとなった。このことは、外来抗原が大量に体内に侵入してきた際、対応するT細胞が増殖し機能分化する一方、抗原がT前駆細胞に対し微量である場合や、抗原性が弱い場合などは、細胞分裂なしに外来抗原を排除している可能性を示唆している。さらに、弱い抗原刺激による細胞分裂と機能分化との関係を、ホメオスターシス増殖(HP)と自己免疫疾患発症のマウス実験系を樹立し確認した。HPでは、細胞分裂に従いCTLのキラー活性は増強したが、HPの減弱と共にキラー活性および自己免疫疾患とも消失した。これらの結果より、in vivoにおける細胞増殖と分化は、抗原特異的T前駆細胞と抗原の量と質により調節されていることが示唆される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] CD25^+CD4^+ regulatory T cells exert in vitro suppressive activity independently of CTLA-42005

    • 著者名/発表者名
      Kataoka, H.
    • 雑誌名

      Int.Immunol. (in press)

  • [雑誌論文] NFAM1,a new ITAM^+ surface molecule that regulates development and signaling of B lymphocytes.2004

    • 著者名/発表者名
      Ohtsuka, M.
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101・21

      ページ: 8126-8131

  • [雑誌論文] In vivo overexpression of CTLA-4 suppresses lymphoproliferative diseases and thymic negative selection2004

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, S.
    • 雑誌名

      Eur.J.Immunol. 35

      ページ: 399-407

  • [雑誌論文] フローサイトメトリー2004

    • 著者名/発表者名
      横須賀 忠
    • 雑誌名

      蛋白質 核酸 酵素 49

      ページ: 1620-1627

  • [雑誌論文] CD8^+T細胞のエフェクター、メモリーへの分化と細胞増殖2004

    • 著者名/発表者名
      横須賀 忠
    • 雑誌名

      臨床免疫 42・3

      ページ: 271-277

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi