慶應義塾大学病院の外来患者に対するアンケート調査の結果の解析を行った。600名に配布したアンケートの回収は400枚であり、回収率は67%であった。セカンド・オピニオン(以下、S.O)を知っているものが回答者の45%であり、患者の知識不足が明らかとなった。ただし、S.Oを求めたことがあるものは33%であり、知っているものの約7割に達していた。S.Oを求めるきっかけとしては、医師のキャリア不足や、評判の悪さなどが原因ではなく、医師の治療方針と、自分が希望する治療との相違、病気の種類(重症度)、医師の態度などが原因として多くあげられた。また、S.Oを得た後に最終的に治療を受けた医師は、元の主治医(43%)、S.Oを与えた医師(45%)と差がなく、S.Oを受けたとしても主治医のところに戻る患者が多いことがわかった。最終的な医師の選択の決め手は医師の説明の量や説明の仕方(37%)によるとしたものが圧倒的に多かった。また、S.Oを求める際に元の主治医にそのことを明かした患者は42%であり明かさなかったもの(58%)に比較して少なかったが、逆にS.Oを与える医師にはその受診の目的を明かしたもの(74%)が明かさなかったもの(26%)に対して圧倒的に多かった。主治医に明かさない理由としては、必要がない(51%)、関係が悪化する恐れがある(27%)との解答であり、診療情報をS.Oのために持参するという意識の欠如が浮き彫りとなった。同じ検査を繰り返すために生じる医療費についての認識は低いことがわかった。S.Oを求めてよかったと感じている患者は84%と多く、今後求める割合は増えると思われるが、現在の認識でのいたずらな重複受診は医療費の高騰を招く危険があり、正しい認識と理解を求めることが必要である。本年度に実施した医師・医学部生へのアンケート結果と比較検討予定である。
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