研究概要 |
地域住民・患者に質の高い保健・医療・福祉(介護)サービスを効果的かつ効率的に提供するため,地域の保健・医療・福祉・(介護)関係者間における連携の重要性が増している。そこで,本研究では,連携を推進するための条件および環境等を分析し,地域住民にとって質および利便性の高い保健・医療・福祉(介護)サービスを提供できる連携(ネットワーク)のあり方について考察ならびに提言を行うことを目的としている。 本年度は,とくに,医療と福祉(介護)関係者の連携状況および意識について,愛知県内の居宅介護支援事業者,訪問看護ステーション,介護老人保健施設,介護老人福祉施設を対象に調査を行った。その結果,福祉(介護)関係者の保健・医療・福祉(介護)の連携の取り組みに対する意欲が高いものの,必ずしもすべての関係諸機関と連携が十分にとれているわけではない現状が明らかにされた。また一方で,本年度は,いくつかの全国の先駆的な連携支援情報ネットワークについてヒアリング調査を行った.その結果,連携支援情報ネットワーク構築における阻害要因および成功要因,今後の課題等について考察を行った。とくに,連携情報ネットワークを効果的に運用していくためには,現在のワークフローの見直しと適切な情報支援および円滑な人間関係を持続するための仕組みが必要であることがわかった。 なお,今後の計画として,今回の研究で得られた調査分析結果をもとに,連携ネットワークを構築する際の具体的な情報支援のあり方の検討ならびに支援システムの基本設計および評価方法の確立を行っていく予定である。
|