研究概要 |
本年は胃粘膜生検組織の収集と半定量的RT-PCR法の予備実験を行った。 まずHelicobacter pyloriの菌体成分によってヒト好中球のCXCR1およびCXCR2 mRNAの発現が刺激されるかどうか調べた。Helicobacter pyloriのエンドトキシンによって刺激したところ,これらの発現が刺激されうることが分かった。しかし、ここまで使用してきたプライマーではHelicobacter pylori感染胃粘膜においてはCXCR1およびCXCR2 mRAの発現は必ずしも認められず、とくにCXCR2の発現は検出されにくいようである。 さらに、早期胃癌患者と慢性胃炎患者それぞれ数名から採取したサンプルを使用し、両群における胃粘膜でのCXCケモカインレセプターmRNAの発現を比較したが、これまでのところ有意差は見出されていない。しかしながら、好中球の浸潤の程度が強い胃粘膜ではCXCR1のmRNA発現が多い傾向にあり、本年度は症例を増やして検討する。 また、今後はプライマーに関する問題も解消するため市販のプローブを用いたreal time PCR法による検討も行う予定である。
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