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2003 年度 実績報告書

骨髄細胞から肝細胞への分化を制御する遺伝子群の同定プロジェクト

研究課題

研究課題/領域番号 15790348
研究機関山口大学

研究代表者

寺井 崇二  山口大学, 医学部, 助手 (00332809)

キーワード肝幹細胞 / 分化 転換 / 再生医療 / 骨髄細胞 / ニッチ / 細胞療法 / SOM / DNA-chip
研究概要

肝幹細胞は肝細胞,胆管細胞,膵臓細胞,小腸細胞に分化する細胞群と考えられてきた。最近になり、骨髄中にも同様な幹細胞が存在することが証明された。我々は骨髄中に存在するこの多能性分化能を持つ幹細胞を使った再生療法を開発したいと考え基礎的検討を行ってきた。骨髄細胞を用いた肝臓再生療法の開発のため、骨髄細胞から肝細胞へのin vivo分化評価モデル(GFP/CCl4モデル)を開発した(特願2001-271240号、特公2003-70377,J.Biochem.134;551-558,2003)。このモデルにおいては持続肝障害下で骨髄細胞は肝芽細胞に分化転換し最後は肝細胞へと分化する。また新たに作成した胎児肝モノクローナル抗体Liv8抗体とGFP/CCl4モデルを使った解析により、骨髄中のLiv8陰性分画に肝臓再生に有用な細胞分画が存在することがほぼ明らかになった(BBRC23;313(4):1110-8,2004)。現在このLiv8抗体の認識する抗原の同定を目指した研究を行っている。この抗原が決定できれば、人骨髄細胞よりの効率的な肝幹細胞分離法の開発につながると考えられる。さらに、このモデルの解析の結果、持続炎症におけるシグナルは、骨髄細胞の肝細胞への分化に必須など、持続炎症下の微小環境"Niche"の問題が重要と考えられた。本年度の研究においては、GFP/CCl4モデルにおける遺伝子発現の変化について、DNA chipと複雑かつ膨大な多次元のデータを可視化することができるSelf Organization Map(SOM)を用いた統計解析を行うことで、その遺伝子群の変化の抽出、可視化を試みた。その結果、骨髄細胞の肝細胞への分化はドラマティックな遺伝子変化の中で進んでいることがあらためて明らかになった。さらに今回用いた新たな解析により、連動して変化する遺伝子群がクラスターとして抽出できた。今後はこれらに遺伝子についての解析を続ける。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Yokoyama Y: "Proteomic profiling of proteins decreased in hepatocellular carcinoma from patients infected with hepatitis C virus"Proteomics. In press.

  • [文献書誌] Sakaida I: "Herbal medicine Sho-saiko-to (TJ-9) increases expression matrix metalloproteinases (MMPs) with reduced expression of tissue inhibitor of metalloproteinases (TIMPs) in rat stellate cell."Life Science. 19;74(18). 2251-2263 (2004)

  • [文献書誌] Yamamoto N: "A subpopulation of bone marrow cells depleted by a novel antibody, anti-Liv8, is useful for cell therapy to repair damaged liver."Biochem Biophys Res Commun.. 23;313(4). 1110-1118 (2004)

  • [文献書誌] Terai S: "An in vivo model for monitoring trans-differentiation of bone marrow cells into functional hepatocytes."J Biochem. 134(4). 551-558 (2003)

  • [文献書誌] Sakaida I: "Leptin receptor-deficient Zucker (fa/fa) rat retards the development of pig serum-induced liver fibrosis with Kupffer cell dysfunction."Life Sci.. 73(19). 2491-2501 (2003)

  • [文献書誌] Horie T: "L-cysteine administration prevents liver fibrosis by suppressing hepatic stellate cell proliferation and activation."Biochem Biophys Res Commun.. 305(1). 94-100 (2003)

  • [文献書誌] Terai S: "Strategy for the development of cell therapy using bone marrow cells to repair damaged liver. Growth/Differentiation and hepatocyte/HCC"Frontier in Hepatology (Stem cell and liver regeneration). 51-56 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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