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2004 年度 実績報告書

肝細胞増殖因子(HGF)の成体における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790354
研究機関宮崎大学

研究代表者

宇都 浩文  宮崎大学, 医学部, 講師 (20347058)

キーワード肝細胞増殖因子HGF / HGF promoter / 四塩化炭素 / dimethylnitrosamine / 遺伝子組み換え型ヒトHGF / 肝硬変
研究概要

肝細胞増殖因子HGFは様々な組織の修復・再生に重要な役割を果たしているが、組織障害におけるHGFの産生機構の詳細は十分解明されていない。また、HGFノックアウトマウスは胎児期に死亡することから、成体におけるHGFの役割は十分解明されていない。本研究の目的は組織修復・再生におけるHGFの成体での役割を明らかにすることである。まず、Enhanced green fluorescent protein (EGFP)遺伝子がHGF遺伝子転写調節領域に制御されるように作製したトランスジェニックマウス(TGm)を作製し、肝炎モデルにおけるHGFの発現動態を解析した。四塩化炭素CC14をオリーブオイルで溶解し(250mg/ml)、HGF promoter-GFP TGmに経口投与し(500mg・CC14/kg)、24時間後に肝・脾・肺・腎・腸・骨組織を採取し蛍光顕微鏡で観察したところ、肝、脾においては、コントロールと比較して、明らかにHGF-promoter-GFP TGmでGFPの発現が強く認められ、肝では非実質肝細胞からの発現が考えられた。一方、肺、心臓、腎臓、骨組織ではHGFの発現を認めなかった。次に、7週齢のSDラットにdimethylnitrosamine(DMN)(10μg/kg)を週3回、4週間腹腔内投与して肝硬変を作製し、肝硬変モデルにおけるHGFの作用を解析した。DMN4週間投与中の後半の2週間は、遺伝子組み換え型ヒトHGF(rhHGF)(0.3mg/kg体重)を1日2回静脈投与し、投与終了時にDMNとPBSを投与したコントロール群と比較した。rhHGF群の肝重量と血清アルブミンは、コントロール群よりそれぞれ有意に増加し、rhHGF群の血清ALT値は、コントロール群より有意に低下していた。また、rhHGF群で血清ヒアルロン酸と肝組織中TGFβ1濃度はコントロール群に比し有意に減少していた。さらに、rhHGF群の肝組織中ヒドロキシプロリンはコントロール群に比して減少傾向で、rhHGFは病理組織学的に肝組織の線維化を改善する傾向がみられた。以上のことから、肝障害時のHGF産生は、肝非実質細胞であり、そのHGF発現は組織修復を正に制御し、HGFを薬剤としてさらに投与することで、組織修復はさらに改善する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 肝細胞増殖因子HGFを用いた最新の臨床展開2005

    • 著者名/発表者名
      井戸章雄, 他
    • 雑誌名

      バイオサイエンスとインダストリー 63・3

      ページ: 167-170

  • [雑誌論文] Pharmacokinetic study of recombinant human hepatocyte growth factor administered in a bolus intravenously or via portal vein....2004

    • 著者名/発表者名
      Ido A, et al.
    • 雑誌名

      Hepatology Research 30・3

      ページ: 175-181

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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