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2004 年度 実績報告書

心筋細胞の分化に関わる遺伝子の同定と分化誘導への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15790404
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

尾野 亘  独立行政法人国立病院機構京都医療センター臨床研究センター, 生命情報科学研究室, 室長 (00359275)

キーワード心筋細胞分化 / ES細胞 / ヒストン脱アセチル化酵素 / レトロウイルス
研究概要

心筋細胞の早期マーカーであるNkx2.5遺伝子座にGFPをノックインしたマウスES細胞株に対して我々の作成したポリAトラップレトロウイルスベクターを用いて遺伝子を破壊した。分化誘導後GFPを発現しない細胞クローン、すなわち心筋細胞への分化効率が減少するクローンを選別した。このレトロウイルスベクターのLTRにはloxP配列を挿入しているので、Cre recombinaseを発現させることで、挿入されたレトロウイルス遺伝子を除去した後にGFPの発現が再上昇するクローンをさらに選別した。その後、薬剤耐性遺伝子とポリA配列から作成したプライマーを用いて3'RACE法を行うことにより、挿入変異を受けた遺伝子を同定した。現在48個の遺伝子について、その上流、下流の遺伝子を含めて詳細な検討を続けている。そのうちの1つであるtryptophan hydroxylase 1(TPH1)においては、ノックアクトマウスにおいて拡張型心筋症様の心筋病変が生じることが報告されている。しかしながら、そのような病変を呈しないノックアウトマウスの系統もあり、神経系で発現の認められるTPH2が代償的な役割を果たしている可能性もある。現在、後者のノックアウトマウスの分与を受け、TPH1の役割について検討を始めた。
一方、マウスES細胞で胚葉体形成後6日目にヒストン脱アセチル化酵素阻害薬トリコスタチンAで刺激すると、心筋細胞分化効率は約4%から8%へと有意に増加した。さらに上記で得られた遺伝子の過剰発現とトリコスタチンAの刺激で心筋細胞分化効率が上がるかどうかについても検討中である。
また、白色脂肪細胞から分離されるstromal vascular fractionには間葉系の幹細胞が含まれる。この幹細胞からの血管系への分化効率についても上記の実験で得られた遺伝子をもとに検討している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Endothelin-1-dependent Nuclear Factor Activating T Lymphocytes Signaling Associates with Transcriptonal Coactivator p300 in the Activation of the B cell Leukemia-2 Promoter in Cardiac Myocytes2004

    • 著者名/発表者名
      Kawamura T. et al.
    • 雑誌名

      Circ.Res. 94

      ページ: 1492-1499

  • [雑誌論文] FOG-2 competes with GATA-4 for a transcriptional coactivator p300 and represses hypertrophic responses in cardiac myocytes.2004

    • 著者名/発表者名
      Hirai M et al.
    • 雑誌名

      J Biol Chem. 279

      ページ: 37640-37650

  • [雑誌論文] Activators of PPARγ antagonize protection of cardiac myocytes by endothelin-12004

    • 著者名/発表者名
      Ehara N. et al.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun. 321

      ページ: 345-349

  • [雑誌論文] Contribution of caveolin-lα and Akt to TNF-α-induced cell death2004

    • 著者名/発表者名
      Ono K.et al.
    • 雑誌名

      Am J Physiol 287

      ページ: 201-209

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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