水・電解質代謝の恒常性の維持は、生体の内部環境の維持のなかで重要な位置を占める。しかも、維持範囲が小さいものでは、極めて狭いレンジにあることも特徴的である。この恒常性の破綻が生じた状態が水電解質代謝異常であり、このような内部環境の破綻は生命の危険を招く。この中で、生体内で多くの生理機能に関わりのあるリンは生体内で厳密にコントロールされている。最近我々は、成長期に重要あり、リンセンサーとしての役割を担っていることが示唆されるリンセンサー(type IIcリンセンシングトランスポーター)を同定した。本分子は単なるトランスポーターとしてではなく、体内のリンの恒常性を維持するためにリン濃度を感知するリンセンサーの機能を併せ持つ分子であると考えられる。 本研究においては本分子のセンサーとしての機能を明らかにすると共に、常染色体劣性遺伝低リン血清くる病(HHRH)の原因遺伝子の解明及び生体内のリン調節機構の解明を目的とする。type IIcリンセンサーの補助因子を同定する目的でマウス腎cDNA発現ライブラリーを作製し約500から700クローンを1グループとしてin vitro転写によりcRNAを合成しcRNAを合成しXenopus卵母細胞に共発現させ32Phosphorusの取り込みを変化を指標にスクリーニングを行った。3回スクリーニングを行い数個の陽性クローンを得ることができ、現在詳細を解析中である。
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