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2004 年度 実績報告書

残存糸球体のリモデリングにおける血管内皮細胞の役割

研究課題

研究課題/領域番号 15790441
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

平野 景太  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20277073)

キーワード腎臓の再生 / 慢性腎不全 / 血管内皮細胞 / 傍尿細管毛細血管 / IgA腎症 / リンパ管
研究概要

進行性IgA腎症では退縮したネフロンの中に傷害を免れたネフロンが混在しており、残腎機能保持のためには残存ネフロンにおけるpertibular capillary (PTC)、glomemlar capillary (GC)に代表される微小血管系がいかに効率的に再構築されるかが重要である。そこで本研究では進行性IgA腎症の残存ネフロンを構成する微小血管系の形態学的特性を明らかにし、その知見から腎の再生機序解明に寄与するこ.とを目的とした。平成15年度の研究成果により、肥大尿細管に伴う拡張した傍尿細管毛細血管は、その後の良好な腎予後に関係することが示された。またこの現象は、長期のヘパリン治療によっても誘導されうることが示された。平成16年度は、血管のwideningに代表される重要因子としてendothelial nitric oxide synthetaseに着目した解析、血管内皮細胞の成熟度に関する解析、間質脈管におけるリンパ管の同定の3点に注目した。腎予後良好群と不良群間においてendothelial nitric oxide synthetaseの発現レベルに差は見られなかった。同様に血管内皮細胞の成熟度に関する解析ではEph-ephrinの発現形式において差を認めなかった。一方、リンパ管の解析において以下の興味深い知見が得られた。1)球状硬化糸球体率が30%以上を占める進行性IgA腎症において間質リンパ管密度は有意に高くなる、2)その中でも腎予後の良好であった群は萎縮尿細管に伴うリンパ管新生が有意に多くなる、3)逆に腎予後不良群では間質炎症細胞浸潤に伴うリンパ管新生が有意に高くなる。これらの知見は進行性IgA腎症の腎機能保持において肥大尿細管の形成と関連したPTC、GCのintegrityを伴う毛細血管の再構築に加えて、血管新生に関連したリンパ路の再構築が長期に良好な腎予後に関係していることを示唆している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Prognostic impact of widened pertibular capillary combined with tubular hypertrophy in advanced IgA nephropathy2004

    • 著者名/発表者名
      Keita Hirano
    • 雑誌名

      Journal of the American Society of Nephrology 15

      ページ: 333A

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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