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2003 年度 実績報告書

接着分子の多型部位を含むマイナー組織適合抗原の同定

研究課題

研究課題/領域番号 15790490
研究機関金沢大学

研究代表者

高見 昭良  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (80324078)

キーワード白血病 / 造血幹細胞移植 / マイナー組織適合抗原 / 接着分子 / 細胞傷害性T細胞 / 多型ペプチド / 移植片対宿主病 / 同種免疫
研究概要

ヒト組織適合抗原(HLA)一致ドナーからの造血幹細胞移植では,graft-versus-leukemia (GVL)効果は,主にマイナー組織適合抗原(mHA)を標的とした同種免疫反応によって誘導される.しかし現在のところペプチド配列が確定したmHAは少ない.Maruyaら(Blood 1998)は,接着分子であるCD62LやCD31,CD49bの1塩基多型(SNP)に注目し,移植片対宿主病(GVHD)方向での不適合がmHAとなる可能性を指摘した.CD62Lは,急性リンパ性白血病や急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,成人T細胞性白血病の細胞上に発現がみられるので,白血病細胞に対する特異的同種免疫療法の標的分子として好都合である.そこで,CD62Lについて,多型部位(codon213)を含むペプチドに特異的なT細胞が,移植後患者の流血中に存在するか否かを検討した.HLA-A*2402分子への親和性を考慮し,CD62L多型部位を含む9アミノ酸(P型,S型各9種類)を全て合成した.GVHD方向の不適合例からGVHD発症時に末梢血リンパ球を採取し,各ペプチドに対する反応性をinterferon(IFN)-gammaの産生能を指標に検討した.その結果,一部のペプチドに関して,高い細胞傷害活性の誘導が可能であった.これらのペプチドを用いてドナーリンパ球を繰り返し刺激したところ,一部のペプチドに関して,ペプチド特異的なCTLが樹立できた.以上の結果から,CD62Lペプチドは生体内で強力なGVL効果を誘導する理想的なmHAである可能性が考えられる.今後,CTL療法やペプチドワクチン療法などのCD62L多型を標的とした同種免疫療法は,移植後白血病再発の予防や治療に応用されることが期待される.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takami A, et al.: "Evidence for graft-versus-leukemia response due to expansion and activation of minor histocompatibility antigen HY-specific T cells"Bone Marrow Transplantation. 発表予定.

  • [文献書誌] 高見昭良, 中尾眞二: "接着分子多型とGVL効果"臨床血液. 発表予定.

  • [文献書誌] Takami A, et al.: "Reduced-intensity allogeneic stem cell transplantation (RIST) for renal cell carcinoma : in vivo evidence of graft-versus-tumor effect"Haematologica. 89・3. 372-374 (2004)

  • [文献書誌] 高見昭良, 中尾眞二: "分子標的治療マイナー組織適合抗原を標的とした細胞療法"篠原出版新社(発表予定).

  • [文献書誌] 高見昭良: "NSTフォーラムハイライト 白血病ワクチンのBench to Bedside 夢から現実へ"ティ・エル・エム・ジャパン. 1 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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