1.Adult Health Study集団を対象としてシェーグレン症候群に関する調査を開始した。 1)男性258例、女性385例、計643例から同意を得られ、平均年齢は71.2歳だった。 2)眼球乾燥症状は94例(14.6%)で陽性、口腔乾燥症状は170例(26.4%)で陽性であった。 3)涙液分泌量検査(シルマーテスト)は605例で実施し、涙液分泌量が低下していたのは242例(37.6%)だった。 4)唾液分泌量検査(サクソンテスト)は605例で実施し、唾液分泌量が低下していたのは152例(25.1%)だった。 5)血清学的検査は643例で行い、抗SS-A/Ro抗体は25例(3.9%)で陽性、抗SS-B/La抗体は5例(0.8%)で陽性だった。 6)ローズベンガル染色検査は216例で実施した。 7)唾液腺エコー検査は292例で実施した。 8)唾液腺MRI検査は111例で行った。 2.上記検査での問題点を検討した。 1)シルマーテストでは、眼痛により途中で検査を中止した例があった。 2)サクソンテストでは、嘔吐反射で気分不良になった例や、義歯のためよくかめない例があった。 3)検者間で手技のばらつきがないように、シルマーテストではろ紙の挿入の位置の確認、検査の体位の確認を行った。また、サクソンテストでは声かけの方法の確認、絶食で来所した場合は、同意取得の際に水分摂取を促すなどの対策をとった。 来年度は上記問題点をふまえて検査を続行し、診断の確定と有病率の算出を行う予定である。
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